全国の「空き家」900万戸に……過去最多 「放置空き家」多い地域は? 京都市は全国初の“空き家税”【#みんなのギモン】
■都道府県別「放置空き家」の割合は?
小野解説委員 「住宅の総数に占める放置空き家の割合(2023年、総務省調べ)を見てみます。最も高かったのは鹿児島県で13.6%。高知県は12.9%で、徳島県や愛媛県も高いです。西日本がやや高い傾向にあるようです」 「東京都は2.6%、神奈川県は3.2%、大阪府は4.6%ですが、家の絶対数が多いため放置空き家の数自体、とても多くなっています」
■「放置空き家」の7割以上が一戸建て
小野解説委員 「国土交通省の調べによると、放置空き家の7割以上が一戸建てで、そのほとんどが木造でした。そして放置空き家に限らず、空き家全体で見ると所有者がその空き家を取得した経緯を尋ねると、最も多い約55%が相続でした」 「所有者の3割は、車や電車などで1時間以上の遠い場所に住んでいます。居住地が遠くなるほど、空き家を管理しに行く回数が少なかったと分かりました」 森アナウンサー 「私の両親も少し離れた所に住んでいるので、もしその両親から相続ということになると、まさにこのケースに当てはまります。両親の家どうしようかなと、そろそろ考えなきゃいけないなと思っています」 小野解説委員 「空き家にしておく理由を聞くと、『物置として必要』と言う人や、『更地にしても使い道がない』『解体費用をかけたくない』と言う人もいます」
■都市部で空き家が発生する背景は?
桐谷美玲キャスター 「そういった理由は全国共通だと思うんですが、空き家率に地域によって差があるのはどうしてなんですか?」 小野解説委員 「確かにそこが気になります。地方と都市部だと何が違うのか。世田谷区の担当者に聞きました。住人が亡くなった後、土地の価値があるからこそ親族が権利を主張し合って相続が進まないケースがあるといいます」 「そして、親族関係が希薄になって知らない親族から遺産相続するのが怖く、相続手続きをしないというケースも。家族がいない持ち主が遺言を残していないため、相続人がいないこともあるようです」
■地方で空き家が増える理由は?
小野解説委員 「地方ではどうでしょうか。鹿児島大学の小山雄資准教授は『特に地方では人口が減少していて、都市部に出て戻らない人がいる。そうした人たちが実家を売ったり貸したりすることができず、そのまま放置して受け継がれることのない空き家が多くある』と言います」 河出奈都美アナウンサー 「今も空き家で困っている方は多くいらっしゃると思いますが、何とかして減らしたり活用したりできる方法はないんでしょうか?」