テスラのロゴ　［中央フォト］

米テスラが運転台とペダルがない２人乗りロボタクシー「サイバーキャブ」を公開したが市場の反応は冷ややかだ。１日で時価総額６７０億ドルが消え米国企業の時価総額順位１０位圏外に押し出された。 【写真】ロボタクシー「サイバーキャブ」に乗って登場するイーロン・マスク氏 ニューヨーク証券取引所で１１日にテスラの株価は２１７．８０ドルで引けた。時価総額は６９５７億ドル（約１０４兆円）、順位は１１位だった。２日に７－９月期の車両引き渡し台数が当初見通しを下回るという事実が知らされてから株価が下がり続け、結局ブロードコムが９位、イーライリリーが１０位となりトップ１０から押し出された。この日１日だけで時価総額６７０億ドルが蒸発した。 テスラは１０日のイベントでサイバーキャブの試作品を公開した。車内に運転台やペダルなどがない自動運転車両だ。乗客の移動性だけを強調したと分析される。同社のイーロン・マスク最高経営責任者（ＣＥＯ）はサイバーキャブを紹介しながら「車両価格は長期的に１台当たり２万～３万ドルになるだろう。２０２６年ごろ大量生産に入れるとみている」と話した。 当初サイバーキャブに対する市場の期待は大きかった。テスラが電気自動車の「開花」を主導しただけに新たに出すサイバーキャブが一時的需要停滞の突破口になるとの期待だ。マスク氏が４月初めに「今年ロボタクシーを公開する」と発表してからテスラの株価が４５％上昇するほどだった。 だが市場の評価は冷静だった。具体的な自動運転技術が公開されておらず、サイバーキャブがどれだけ速やかに運営承認を得られるかのような詳しい内容もなかった。それだけ事業化の可能性が低く評価されたのだ。