プロに学ぶ旧車メンテナンス!【3】なめたボルト回せる? 転ばぬ先のお役立ちツール編
旧車はデリケート。現代のクルマよりもずっと繊細だ。ここで紹介するのはプロ直伝の、旧車に効く「メンテナンス」、役立つ「トラブルシューティング」。 貴重な旧車を、大切に、長く乗りつづけるためにも、ぜひ参考にしてほしい。 >> 【画像40枚】初級編から上級編、 お役立ちツールまで 【プロ直伝メンテナンス&トラブル解決術 vol.3】 旧車のボルトやネジは固着していることが多く、経年劣化で弱っている場合もある。緩める際は慎重に。必ずサイズの合った工具を使い、少しでも固さを感じたら無理をせず、潤滑剤を使って緩めるようにする。ここで紹介するのは、旧車のメンテナンス時に特に起こりやすい、ボルトやネジをなめさせてしまった時の対処法。現代のクルマと違い旧車はネジ留めが多い。回せない状態で放置されたネジへの対応策としても、もちろん使える。 なめたナット&ボルトの救出に ナットをなめさせる事案はDIY初心者に特に多いトラブル。一番の原因はサイズの合っていないスパナや、調整の甘い状態でのモンキーの使用。特にトルクのかかりやすいモンキーは、いいかげんに使うと高確率でなめてしまう。 ボルトやナットを緩める際は、スパナやモンキーを使わずソケットを使うのが賢明。そしてラチェットもしっかりと力の入る、確かなものを使う。旧車に安価なツールは合わない。 なめたボルトを回せるソケットは2タイプ。85%までのなめに対応できるスリップガードソケット。それ以上になめた場合のスクリューソケットだ。 接触面に爪を設けることで、軽度ななめなら問題なく回せる、MACツールのスリップガードソケット。ボルトへの噛み込みが少なく通常のソケットとしても使える。 スクリューやツイストソケットは、丸まったり破損したボルトやナットを外すために開発された専用ツール。ソケット内の渦状の歯が、トルクをかけるほど噛み込む仕組み。 回らないネジの救出 プラスやマイナスのネジ山をツブしてしまうことも初心者には多いトラブル。これもかかりの甘い工具で回そうとした時によく起こる。錆びて回らないネジにも応用が効く、手軽な救出法を伝授! タガネを使って回す方法は、最もシンプルかつ手っ取り早い手段。ネジにタガネを食い込ませ、緩む方向にハンマーで叩いて回す。少しでも回れば、もう大丈夫だ。 ツール箱にタガネがない場合は、貫通タイプのマイナスドライバーでも応用が効く。なお、これらはあくまでも緊急の対策。専用ツールを使う手も、もちろんありだ。 【おすすめ工具】 狭いスペースで活躍! WAKAI ミニラチェットドライバー 便利な道具はそれだけでメンテナンスを楽しくしてくれる。ミニラチェットは、中川代表が気に入っている便利ツール。ドライバーのビットを変えることでさまざまなネジに対応でき、ラチェットとしても固定仕様としても使うことができる。 「とにかく狭いところのネジを締めたり、緩めたりするのにめちゃくちゃ便利なんや」と中川さん。クルマはもちろん家の中でも大活躍してくれるツール。「一生もんの便利さやで」と太鼓判を押していた。 初出:ノスタルジックスピード 2020年 2月号 vol.23 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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