インク再生会社、二審も敗訴 キヤノンの仕様変更巡る訴訟
プリンターのインクカートリッジの仕様を変えてリサイクル品の販売を妨げたのは違法として、リサイクル品製造販売会社「エコリカ」(大阪)が大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京)に仕様変更の差し止めと3千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で大阪高裁(徳岡由美子裁判長)は12日、一審に続き原告側の請求を退けた。 一審大阪地裁判決などによると、エコリカはキヤノンの使用済みインクカートリッジを回収し、インクを再注入して純正品より安い価格で販売。キヤノンが2017年に発売した製品でインク残量を表示させるICチップの仕様を変更し、再注入してもプリンター上は「インクなし」と表示されるようになった。 エコリカ側は、インクの残量データの初期化が不可能となり、リサイクル品を販売できなくなったことで、キヤノンの純正品が市場を独占したと主張。一審判決は、インクの残量表示がなくても印刷は可能で、リサイクル品を消費者に買わせないよう取引を妨害したとは認められないと判断していた。