シーホース三河を再び常勝チームへ!リッチマンHCが描く成長とカイゼン(後編)「成功は待つのではなく自分たちが引き起こすもの」
「日本のトップ中のトップ選手は世界レベル」
――すでに練習が始まり開幕まで約1カ月となりましたが、何を重視して開幕に向かっていますか? ハードにプレーすること、またチームで一体となってプレーすることを重要視しています。この2つがスタンダードになっていきます。そして、3つ目に楽しむことです。喜びを感じながら楽しむことはどんな状況でも必要です。4つ目がスタッフと選手の信頼関係です。チーム全体がまとまっていることが重要になっていきます。最後にコントロールできることにフォーカスすること。ここは私がよく言っているカイゼンに結びつきます。チームとして向上していくために日々意識していきたいです。結果はコントロールできませんがプロセスはコントロールできます。自分たちがコントロールできることに対して、しっかりと集中してやり切っていきます。 ――昨シーズンの結果を受けて、今シーズンもファンからの期待は大きいと思います。長らくNBAに携わってきたリッチマンヘッドコーチには、日本のファンはどのように写っていますか? ファンの皆さんは非常に情熱を持った方々だと感じています。特にアウェーの会場にも足を運んでくれて、本当に試合を観るのが大好きなんだなぁと。ですので、私たちも今より大きなアリーナが必要だと思います。特に今シーズンから渡邊雄太選手(千葉ジェッツ)が日本に戻ってきてBリーグでプレーするので、より注目度が上がっています。多くの素晴らしい外国籍選手を獲得したり、リーグの成長も感じます。スタッフや選手、いろいろな方々と話しても、自分たちのリーグの成長に関心を持っている人が多く、素晴らしいと思います。 ――アウェー戦と言えば、試合前にリッチマンヘッドコーチが客席に行きファンに挨拶してまわる姿を見て驚きました。 そこに気づいてくれて、ありがとうございます(笑)。常にファンの方々に感謝の気持ちを持っています。特にアウェーの地まで観に来てくださってることに対して、できる限り感謝を伝えたい思いでやっています。いろいろな地で三河ファンの姿はお見掛けしますし、青援は自分にも選手にも届いています。それに対して何か形として返せたら思いますし、皆さんにベストを尽くす姿を見せられればと思っています。 ――日本に来る前のイメージと実際に1年過ごしてみてのギャップはありましたか? 驚いたことはたくさんありますが、まずは先ほど話した通り、たくさんのファンの方がアリーナに駆けつけてくれること、そしてサポートの素晴らしさに驚きを感じました。選手に関しては、タレントレベルが非常に高いことに驚かされました。これまで自分がコーチングをしたNBA選手と比較しても、日本のトップ中のトップ選手は世界レベルです。もう1つは新しく加入してくれた水野宏太アシスタントコーチのような素晴らしいコーチがいることです。彼と仕事をしていても良い驚きや学びが毎日あります。 ――応援してくださっている方にメッセージをお願いします。 日々のサポート本当にありがとうございます。昨シーズンよりもさらにハードワークしてゲームに向かっていきます。ただ、同じメンバーがいるからといって今シーズンも同じ結果が出るとは思っていません。成功は待つのではなく自分たちが引き起こすものです。勝つのは簡単なことではないですが、優勝に向けて貪欲に取り組んでいき、皆さんのために必ずベストを尽くします。 ――最後に1つだけ聞いてもいいですか?奥様と一緒に日本語の勉強をされているようですが、1番好きな日本語はなんですか? うーん…。「でら(名古屋弁で「とても」「すごく」の意)」ですかね。愛知の人は、私が「でら」と言うと非常に喜んでくれます(笑)。
ズッボン