年収800万円、上場企業勤務の59歳・定年直前サラリーマンを襲った悲劇…絶望の家族を救う〈特別な年金〉に涙「まだ、生きていていいんですね」【CFPの助言】
ストレスフルな現代社会、誰もが定年まで健康に働けるとは限りません。しかし、定年前の本意ではない離職は「老後破産」に直結する可能性も……。そこで知っておきたいのが、60歳よりも前にもらえる〈特別な年金〉の存在です。定年前にうつ病を発症したAさんの事例を通して、詳しくみていきましょう。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の五十嵐義典CFPが解説します。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
身体に不調が見られるようになった男性会社員
現在59歳のAさんは、妻Bさんと暮らしています。以前は都内の上場企業に勤めており、当時の年収はおよそ800万円でした。しかし、いまは働いていません。きっかけは5年前に息子のCさんを交通事故で亡くしたことでした。 愛するひとり息子を奪われたAさんの喪失感は計り知れません。しかし、そんなAさんのことを会社や仕事は待ってくれないほど、日々慌ただしくなりました。 毎日、日常業務をこなさなければならないのはもちろんのこと、ここ数年間は社内の組織再編などが原因でAさんや周りの人の異動も頻繁にあり、新しい仕事内容にはなかなか慣れず、上司との人間関係もうまくいかないことが多くなりました。 さらに、私生活においては、もともと険悪だった親戚とのトラブルも発生してしまい、Aさんにはストレスが重なります。 やがて、58歳を迎えたころ、Aさんは身体の不調を起こすようになり、頭痛やめまいに悩まされるようになりました。 うつが原因で出勤できなくなった 体調不良が続くため、当初内科を受診していましたが、医師からは「特にこれといった異常はみられない」と言われたため、「医者がいうならそうなんだろう。体に悪いところがないなら無理さえしなければ何とか乗り切れるだろう」と仕事を続けようとします。 しかし、それからしばらくあと、仕事でAさんの深刻なミスが発覚。ミスを追及されたAさんはパニックに陥り、その場で嘔吐してしまったそうです。早退したAさんは、翌日から会社へ行けなくなってしまいました。 そこで今度は、内科の先生の紹介で精神科に行くことになります。すると、医師からうつとの診断を受けました。Aさんは出社できる状況になく、そのまま会社を休職することになります。 順調にいけば60歳の定年後も再雇用で65歳まで勤務する予定だったため、「もう働けないのか……」「生きる気力までも失われそうだ」と、途方に暮れるAさん。 妻Bさんに相談したところ、まずは今後の生活に対するストレスを軽減させるためにも、1度専門家に相談してアドバイスをもらおうということに。そこで、妻の知り合いを通じてFPを紹介してもらい、今後の家計について相談することにしました。
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