「パフォーマンスは出発点に過ぎない」--NVIDIA幹部に聞く、ピュア・ストレージの真価
NVIDIAとの協業強化 今回のPure//Accelerate 2024におけるAI関連の発表として、同社のEthernetベースのストレージソリューションが「NVIDIA DGX SuperPOD」の認定ストレージとなる予定だと明かされた。DGX SuperPODは「世界初のすぐに使えるAIデータセンター」をうたうハイエンドシステムで、AIワークロードに特化したGPUベースのスーパーコンピューターといった位置付けの製品だ。 2日目の基調講演にも登壇したNVIDIA DGXプラットフォーム部門VPのCharlie Boyle氏に話を聞く機会があったので、DGX SuperPODのようなハイエンドのGPUマシンはストレージに対してどのような要件を求めるのかと質問をしてみた。 同氏は「パフォーマンスが重要なのは当然だ。加えて、十分な拡張性があり、さらに合理的な形で拡張できることも重視している。いくらパフォーマンス面の要件を満たすためとは言っても、データセンターのスペースの半分を埋め尽くしてしまうようなストレージがよいとはいえない。この点Pure Storageは見事な仕事をしており、高効率なストレージを提供してくれているため、われわれの重要なストレージパートナーとなっている」とした。 その上で、改めて「パフォーマンスは出発点に過ぎない。ユーザーの要望に合わせて拡張可能なアーキテクチャーとなっているかが極めて重要だ」と強調した。 具体例としてBoyle氏が紹介した初期のNVIDIAとPure Storageの組み合わせでシステムを導入したユーザーは、当初4台のDGXでスペースは4U分、重量は100ポンド(約45kg)だったそうだが、その後拡張されて今は10Uサイズ/重量300ポンド(約136kg)となっているという。さらに最新のDGX SuperPODでは、フルラック構成で重量は3000ポンド(1.3t)に達するという。同氏は「こうした規模の拡張を見越し、それが実現可能なアーキテクチャーかどうかを評価する」と語った。 さらにもう1つの重要な要素としてBoyle氏は「インターフェースの進化」を挙げた。「NVIDIAが手掛けるのはGPUだけではない。Mellanoxの買収後はネットワーキングの分野も手掛けており、およそ2年ごとに2倍の高速化を実現している。この高速化のペースに追従できているエンタープライズストレージは多くはないが、Pure Storageのこの分野の取り組みには満足している」とのことだ。 最後に同氏は、性能面での安定性や信頼性、共同で長期にわたる検証などを実行できる信頼関係なども重要な要素だと明かした。NVIDIAが顧客にシステムを提供する際に、社内で実施した性能テストをユーザーサイトに設置したシステムでも実施し、その性能差が1%未満であることをSLAで保障しているのだという。もしこの基準を満たせなかったら、満たせるまで繰り返しテストと調整、デバッグを繰り返すことになる。 こうした高い品質水準を保障することが同社のフラッグシップ製品「SuperPOD」の価値の一部であり、そこで使用されるコンポーネントもまた、こうした高水準の品質保証に応えられるものでないといけないわけだ。 Boyle氏は、DGXが製品化された当初からPure Storage製品との組み合わせが使われてきたことを振り返り、長い歴史に支えられた信頼関係が顧客企業にもメリットをもたらすと語った。 (取材協力:ピュア・ストレージ・ジャパン)