【推薦人から見えてくる候補者の特色】候補自民党総裁選 : 9人の候補を推薦したのはどんな人たち?
“脱派閥” の流れの中で、過去最多の9人が立候補している自民党総裁選。各候補の推薦人20人の顔ぶれを見ると、それぞれの陣営の特色が浮かび上がる。 派閥色が最も鮮明なのは河野太郎氏。20人中18人を自ら所属する麻生派で固めた。岸田派ナンバー2だった林芳正氏は岸田派が15人、茂木敏充氏は茂木派が14人、高市早苗氏は2021年の前回総裁選で支援を受けた安倍派が14人と、旧派閥の影響が残る。
一方、小泉進次郎氏と石破茂氏の推薦人は無派閥議員が主力だ。ただ、小泉氏の推薦人には、無派閥議員を束ねてきた菅義偉氏に近い議員が多く含まれる。石破氏も、無派閥のうち7人は旧石破派のメンバーだ。
全180人の推薦人のうち、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した議員は21人。内訳は、高市氏13人、加藤勝信氏4人、茂木氏2人、小泉氏と上川陽子氏各1人。 高市氏の推薦人の旧安倍派議員14人のうち13人が裏金事件に関与。事前に選別の余裕がなかったことをうかがわせる。
全180人のうち女性議員は24人。最も多かったのは上川氏の7人。「女性初の宰相」を掲げ、幅広く女性議員に支持を求めたようだ。林芳正氏、石破茂氏の推薦人には女性はゼロだった。
推薦人の衆参分布を見ると、参院議員を26年務めた林氏は、推薦人の半分が参院。一方、小林氏は参院が2人と少なかった。
小林氏の推薦人は20人のうち8人が自身と同じ「衆院当選4回組」。さらに、衆参合わせて「当選1回組」も6人と、中堅・若手が目立つ。 一方、石破氏は当選5回以上が10人とベテランをそろえた。