インチキ業者の「経年劣化」にダマされるな!このご時世でも欠陥住宅が減らない「最悪のカラクリ」
「契約と違う家が建つ」「滝のような雨漏りが起こる」「天井が落ちてきた」……いま、急増中の信じがたい欠陥住宅のリアルが明らかになった前回の取材は、大きな反響を呼んだ。 そんな欠陥住宅の闇をさらに深堀すべく、今回も一級建築士であり、24年にもわたり、欠陥住宅の検査に携わってきた、日本建築検査研究所代表の岩山健一さんに取材を行った。 「前回は、僕が相談を受けた欠陥住宅の事例をいくつかご紹介しました。今回は、今お住まいの家が欠陥住宅であるかを判断する手がかりについて少しお話をしていきたいと思います」 多くの人は家にシロアリが出現したら「やばい!」と思うに違いない。 欠陥住宅を疑うこともあるだろう。しかしゴキブリの場合はどうだろう。 家にいてもらっては困るが、どこかで「しかたがない」と諦めムードになってはいないだろうか。実は、シロアリもゴキブリも欠陥住宅に起こる現象としては同じものなのだという。 「確かにシロアリは木を駆逐し、最悪の場合家の耐震性を揺るがす強敵です。 その点、ゴキブリが家を倒壊させる話は聞いたことがありません。 ただし、現象としては双方ともに虫が発生していると捉えることができます。 そもそもの話なのですが、虫は好んで家の中に入ってくるわけではありません。本来は自然界の方が暮らしやすいはずなんですから」。 ではなぜ家に入ってきてしまうのか。
「答えは簡単です。暮らしやすい環境がそこにあるから。シロアリといってもいくつか種類がいるのですが、ここで挙げるのは日本のシロアリ被害のなかでももっとも数の多い固有種でもあるヤマトシロアリ。 このヤマトシロアリはとにかく水が大好き。水分を含んだ木材は彼らの大好物です。 本来、家の中には濡れた木材は存在しません。しかし、雨漏りや結露がひどかったら? そう、これらの欠陥現象がヤマトシロアリを誘引するんです」。 では、ゴキブリはどうだろう? 「ゴキブリにとって暮らしやすい環境は水と食べ物があること。食べ物に関しては欠陥住宅とは関係ありませんが、水に関してはシロアリ同様、可能性を疑うことができます。 1匹や2匹なら、外から入ってきたことも考えられますが、毎日ゴキブリを見るだとか、大量にいるという場合は、どこかに過剰な水分があると考える方が妥当です。 そうなったとき、目に見えないところに雨漏りや結露により、湿気=水分を多く含む場所が存在する可能性が高い。 もちろん、それがすべて欠陥につながると言っているのではありません。ただ、可能性として考えられるということです」