《ブラジル》アンデス高峰で登山家転落死=GPS停止カ所に深いクレバス
ブラジル人プロ登山家マルセロ・モッタさん(55歳)が、南米ペルーのアンデス山脈を登山中にクレバス(雪渓の割れ目)に転落し、死亡した。マルセロさんはペルー第4の高峰ネバド・コロプナの標高約6300m地点で6月30日に消息を断った。捜索が進められていたが、クレバスに落ちたことが7日に確認された。7日付G1サイトなどが報じた。 妹パトリシアさんはG1の取材に、「その割れ目は非常に深くて危険であり、救助に入ることは不可能。転落から既に7日が経過しているため、残念ながら彼が生きている可能性はないと判断した」と語った。 現地メディアが動画で滑落現場の様子を報じている
ミナス・ジェライス州ジュイス・デ・フォーラ市出身のマルセロさんは、プロの登山家として25年のキャリアを持っていた。アンデス山脈とヒマラヤ山脈の150以上の山に登り、ブラジルで最も経験豊富な登山家の1人として知られている。近年は1年の大半をアンデス山脈の登山と山岳ガイドに費やしていた。 マルセロさんは7月1日に宿泊先に戻る予定だったが現れず、恋人のジュリエッタ・フェレーリさんが救助を求め、4日に捜索が開始された。現地のアレキパ市警察と、親族によって雇われたプロの山岳ガイドチームが捜索に参加した。 救助隊はマルセロさんのGPSから送信された情報から、彼の全行程を追跡することができた。マルセロさんは単独で6月25日にコロプナに到着し、その日のうちに約4時間歩き、標高4880m付近にキャンプを張った。 気象条件の改善を待つためにそこで数日間待機し、30日午後3時頃に再び登山を開始。同山の西側の頂上6377mに到着した後、すぐに下山を始めたが、標高6300メートル付近でシグナルが止まり、それ以降は動かなくなった。 GPSが停止した付近を救助隊が捜索したところ、巨大なクレバスを見つけた。その横にマルセロさんのトレッキングポールが刺さっているのを発見し、落下の形跡があったという。クレバスは深すぎて底が見えず、マルセロさんを確認することができなかった。割れ目の周辺は足場が不安定となる粉雪が積もっており、下降器具の固定ができず、救助に入ることができなかった。 友人で登山家のペドロ・ハウキ氏は、マルセロさんからのメッセージの発信履歴がなく、SOSボタンも押した形跡がないとG1に語った。同氏によると、マルセロさんは氷河を横切る西への別のルートを取ろうとしたという。