『ミッドナイトスワン』で注目を集めた服部樹咲が長編映画初主演 映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』
『ミッドナイトスワン』で一躍注目を集めた服部樹咲の長編映画初主演作『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』が公開される。 愛知県一宮市のある尾州地域は、世界三大毛織物(ウール)の産地として世界的に注目されながら、昨今、様々な問題や課題に悩む工場や企業が少なくない。本作は、そんな尾州の背景をもとに、諦めずに挑戦し家族を支えたいと願う娘と、工場の閉鎖を余儀なくされる父親の、葛藤と希望を描くオリジナルストーリー。 13歳の時に出演した映画『ミッドナイトスワン』で演技未経験ながら類い稀な存在感で一躍注目を集めた服部樹咲が、今年18歳を迎え、本作で長編映画初主演を飾る。服部は、発達障害と向き合いながらも自らデザインした服を作り家族のために役に立ちたいと挑戦する、純粋で豊かな感性を持つ高校生・史織を演じる。 史織の姉で、東京でファッションデザイナーとして自身のブランドを展開するも行き詰まり地元に戻ってくる布美を演じるのは、岡崎紗絵。自身の人生が低迷している中で、妹・史織が「自分のデザインで服を作りたい」と言い出したことで、布美は日常生活にもサポートが必要な史織への心配、そして自分の挫折した経験から、史織を応援したい気持ちと背中を押してあげられない気持ちのあいだで葛藤する。 さらに、織物工場を営みながらも経営難に追い込まれ、他界した妻との約束を守ろうと娘たちとの暮らしを支え踏ん張る、姉妹の父親・康孝役には、吉田栄作が扮する。 プロデューサーの森谷雄は、日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか数々の賞を総なめにした『ミッドナイトスワン』以来の服部樹咲とのタッグで、映画史に新たな1ページを刻む。 監督を務めるのは、東京藝術大学大学院の修了制作品『向こうの家』が、ええじゃないかとよはし映画祭初代グランプリを受賞した他、数々の賞で注目を集めた西川達郎。
服部樹咲・岡崎紗絵・吉田栄作ら コメント(全文)
▼服部樹咲 史織の周りにいる人が史織を支えるように、私にも私を支えてくださる方がたくさんいます。そんなみんなの優しさや有難みを感じながら夢を追う史織の姿が私自身と重なり、自分の事のように感じました。また劇中の家族の史織に対する厳しさや優しさがとてもリアルで実際の私の家族とも似ていたため、吉田さんや岡崎さんとは家族という繋がりを強く感じながら自分の気持ちに素直に演じることができたと思います。服も映画も、みんなで作り上げるということがどれだけ素敵なことかを改めて作品を見て感じます。優しさで始まり優しさで終わる、多幸感に満ち溢れた映画です。たくさんの方に大きいスクリーンで見て癒されていただきたいです。 ▼岡崎紗絵 尾州ウールを題材に織物工場を営む家族の愛の物語です。それぞれを思い合うからこそ、すれ違ったり衝突したり。複雑な想いが一つになって紡がれていく、家族愛溢れる作品になっています。演じさせて頂きました布美は、自分より才能のある妹、史織への嫉妬心があり、彼女のまっすぐさに心を打たれながらも中々背中を押すことができずに葛藤する、人間味のある魅力的な人物です。服部樹咲さん演じる史織が、一歩一歩懸命に前に進む、その姿を不器用な愛で紡いでいく家族の物語を是非沢山の方に見届けて頂きたいです。 ▼吉田栄作 「尾州」と言うこの地域が、尾張や三河とはまた違うアイデンティティのある地域だと言うことを初めて知りました。今回はこの地域の礎である機織り職人としてこの地域で生きて来た、そしてこれからもこの地域で生きていく男、父の役を演じました。劇中の神谷家は、いろいろありますが、とても良い家族だと思います。今回サブタイトルに「世界でいちばん優しい服」と付いていますが、西川監督の人柄か、まさにそんな優しい現場でした。そしてこの映画を観た皆様に尾州の、一宮の魅力が伝われば嬉しいです。 ▼西川達郎(監督) 青春、夢、友情、家族愛、創作の喜び、生きづらさ、希望、そして優しさ。全てがこの映画に織り込んだ要素です。もちろん尾州という場所もその一つです。主人公の史織は様々な壁にぶつかりながら、服作りに挑戦していきます。不器用だけどひたむきな史織と、愛を持って時に厳しく、時に優しく支える家族や友達を、丁寧に想いを込めて描きました。史織たちの微笑ましさにくすっと笑い、その純粋さに涙する、心温かな映画になったと思います。史織の夢へ向かって一歩一歩進むその姿が、皆様の心を強く打つことを願っています。素晴らしいキャスト、スタッフと共にこの映画を作れたことを嬉しく思っています。早く皆様にこの映画が届く事を楽しみにしています。 ▼森谷雄(プロデューサー) 『ミッドナイトスワン』のオーディションで初めて服部樹咲さんと出会った時感じたあの存在感は5年経った今でも目を見張るものがあります。18歳になった彼女の初主演映画をプロデュース出来てとても光栄です。そして、岡崎紗絵さんは出演作を観ていて、どうしても映画をご一緒したかった俳優さんでした。また、この姉妹の父親であり苦境に立たされた機織工場の職人という意外な役どころを吉田栄作さんにお願いしました。この3人の生み出す家族感は撮影地でもある「尾州」が持つウールのような温かみがあります。生きづらさを抱えた主人公・史織が夢に向かって行く姿を、時に厳しく、時に優しく見つめながら、それぞれの夢に対しての考え方の変化を繊細に演じて下さいました。どんなに苦しくても辛くても諦めないことの大切さを主人公の高校生活最後の「青春」と共に感じてもらえたらとても嬉しいです。 ▼竹田太郎(プロデューサー) 世界的な織物を産出し続けてきた一宮市の町並みと尾州の雄大で美しい情景に、父と娘が葛藤をかかえながらもお互いに成長していくストーリーを重ね、さまざまな「糸」が重なりひとつの生地を織りなしていくような映画が作れたらどんなに素晴らしいだろうと思い企画しました。原案者から一宮市を舞台に映画が作れないか?という相談を受けたことからこの企画はスタートし、西川監督をはじめ、関わっていただいたすべての皆さまに素晴らしい脚本、映像に仕上げていただきました。また、「東海エリアを映画の聖地に」をスローガンに、神谷商会と共に動き出した「シントウカイシネマ聖地化計画」の記念すべき1作目として、全国、世界に届けていきたいと思います。 映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』は、2024年10月11日(金)より全国順次公開。
otocoto編集部