写真：Impress Watch

東急と東急電鉄は、田園都市線桜新町駅のリニューアル工事に伴い、北口・西口の出入口の上家を木材で新設する。すべての構造部材を木材とした地下駅から地上への出入口上屋は、全国で初めてとしている。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■ 出入口が木造トラス構造に リニューアルされる出入口の上屋は、桜並木が連なる周辺環境に溶け込むような勾配屋根で、軽やかな印象の木造トラス構造を採用する。立体構造を演出する照明も用意され、夜間も町並みを彩る個性的なデザインになる。 使用木材の一部には青森県産材を取り入れ、2004年から続く「桜新町ねぶた祭り」をはじめとする桜新町と青森の交流の歴史を承継。工事は北口出入口から段階的に着手し、上屋の全ての工事は2025年度に竣工予定。 なお本物件は、CO2約7tを固定化し、CO2排出量を抑制。地方木材を積極的に活用する“地産都消”を推進し、持続的な森林整備と林業振興の実現にも貢献するとしている。 ■ 桜新町駅のリニューアル 出入口の上屋を含む、桜新町駅のリニューアル工事は、2026年夏(予定)の竣工に向け「WITH THE CHERRYBLOSSOMS」をコンセプトに進められる。ステーションカラーである桜色の既存タイルを最大限生かしながら「桜新町駅周辺の風景や人々の暮らしに寄り添うような空間の創出を目指す」としている。 地下2階、地下3階のホーム階は、桜並木を想起するアーチ状の壁面を新設し、木材のカウンターやベンチも設置される。また6月24日から運用を開始した上りホームの空調設備は、駅構内の暑さ改善を目指し、大幅な増強・新設が図られた。 今後は、第1弾の駒沢大学駅リニューアルに続き、CBM(Condition Based Maintenance、常時監視により故障の兆候が見られた段階で修理する仕組み)による空調設備の効率的な運用を行うなどの、脱炭素・循環型社会に向けた取り組みも実施する。 このほか近隣にある長谷川町子美術館との連携により、工事期間中の仮囲いにサザエさん一家のキャラクターが出現、桜新町の魅力を発信する予定。 両社は、開業後40年以上が経過している、田園都市線の池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅の地下5駅について、快適性を向上させるリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を進めている。