旧伊勢神トンネルの”魔物”は健在? オジェ&勝田貴元がパンク。SS4ではヌービル謎の出力低下|WRCラリージャパンDAY2午前
愛知県・岐阜県を舞台に開催されている世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパン。DAY2午前のループを終えた時点では、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組がRally1の総合トップにつけた。 【ギャラリー】ブルーインパルス、WRCラリージャパンを前に展示飛行 前日の豊田スタジアムSSS1で幕を開けた今年のラリージャパン。初日に続いて2日目も天候に恵まれたものの、本格的な林道ステージでの走行では、木陰に湿った路面も残るなど、依然としてトリッキーなコンディションとなった。 2日目最初のステージSS2は旧伊勢神トンネルが舞台。WRCカレンダーにラリージャパンが復活した2022年にはトンネル出口でRally2のドライバーがクラッシュし、2023年は大雨の影響もありトヨタの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組を含む3台のRally1車両がこのステージでクラッシュと“曰く付き”なのだ。 マニュファクチャラーズタイトル防衛戦でヒョンデに対して15ポイントビハインドという状況で最終戦ラリージャパンを迎えたトヨタ陣営だったが、SS2ではセバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組と勝田がパンク……いきなり大きくタイムを失った。 続くSS3稲武設楽ではオジェがトップタイムをマークしたものの、総合順位ではオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組とティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組のヒョンデ勢がワンツーを保持していた。 しかしコースが一新された新城でのSS4ではヌービルに不運が襲いかかった。ステージ後半で出力を失い、タイムを大きく失ったのだ。ヌービルはこのトラブルについて原因が「分からない」と語っていた。 SS3終了時点で僅差の総合3番手につけていたエバンスが、SS4でステージ優勝を記録し、タナクやヌービルを抜いて総合首位に躍り出た。 勝田はSS4を4位で終え、総合順位ではM-スポーツ・フォードのアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組を抜いて4番手に浮上。総合3番手のヌービルとのタイム差は31秒と開きがあるものの、ヌービルのトラブルの深刻さによっては、DAY2午後のループに向けてサービスパークでの本格的な修理を行なうことができないこともあり、総合3番手浮上の可能性も十分にありえると言えるだろう。
滑川 寛