《パリ五輪》「市場規模は13兆円以上」…水原一平被告を破滅させた「スポーツベッティング」は日本代表をどう見ていたか
悪名を轟かせたサイト
17日間にも及んだスポーツの祭典が閉幕を迎えた。 華の都で始まったパリ五輪の競技数は今大会で採用されたブレイキンなどを含む32競技、総種目数は329にものぼる。 【写真】笑顔が消えていた…イッペイの変わりゆく表情 「大会の出場選手は合計で約1万1000人です。1億人以上ともされる難民からは37人が代表選手団として五輪に挑みました。なかでもボクシング女子75キロ級のジャンケウ・ヌガンバ選手が難民選手として初のメダルとなる銅メダルを獲得し、大会に新たな歴史を刻んでいます」(スポーツ紙記者) 躍進を遂げたのは日本選手団も同じだ。今回のパリ五輪で日本が獲得したメダルの総数は45個。前回大会の東京五輪の58個に次ぎ、海外で開かれた大会としては過去最高を記録している。 一方、世界で盛り上がりを見せたのがブックメーカー、いわゆるスポーツベッティングと呼ばれるサイトだ。日本では今年4月、ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平被告が起こした銀行詐欺事件の発端となった賭博サイトとして悪名を轟かせた。
市場規模は13兆円以上
「水原被告がスポーツベッティングにつぎ込んだ総額は2年数ヵ月でおよそ370億円とされています。そのうち負け越した金額は約62億円。水原被告はこの負債額を支払うために、大谷選手になりすましたうえで口座から26億円あまりを自身の口座へと送金。 この行為が銀行への詐欺行為にあたるとして米司法当局に身柄を拘束され、起訴されています。今年10月26日に量刑の言い渡しが行われる予定ですが、禁固刑は避けられない状況です」(在米スポーツライター、以下「」も) 水原被告を破滅の道へと追い込んだブックメーカーだが、欧米では合法賭博として親しまれている側面もある。 「日本では公営ギャンブル以外の賭博は原則認められておらず、当然ブックメーカーは違法行為に当たります。胴元はもちろん、日本国内からベッドしたユーザーも賭博罪に問われる可能性が高いです。 一方、発祥国のイギリスを始め、イタリアやフランス、ドイツ、アメリカの一部の州ではすでに合法化されており、娯楽として楽しまれています。昨年発表された分析会社のレポートによれば、オンラインによるスポーツベッティングの世界の市場規模はすでに日本円で13兆円を超えており、2030年を過ぎると倍以上に膨らむという予測も出ています」 破滅と熱狂を生み出す海外スポーツベッティングの世界では、日本の金メダルをどう見られていたのか。イギリスの大手ブックメーカー各社にはこんな数字が並んでいた。