名作以上の傑作! 史上最高のリメイク日本映画(4)女優たちが最高! コギャル文化に再脚光を当てた秀作
今回はリメイクされ、成功を収めた日本映画をピックアップ。日本映画史に残る傑作映画に真っ向勝負を挑むべく制作された作品たち。随所に散りばめられた旧作へのリスペクトに胸がアツくなること必至。数多くあるリメイク作の中から、決して観客に損をさせない珠玉の作品を紹介しよう。今回は第4回。(文・寺島武志)
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)
製作国:日本 監督・脚本:大根仁 キャスト:篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ 【作品内容】 2011年公開の韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』の日本リメイク版。オリジナル版はカン・ヒョンチョル監督が脚本も手掛け、韓国国内で700万人以上もの観客動員を記録した。 42歳の女性が高校時代の仲間たちを探す過程で、青春時代の輝かしい日々を取り戻す様子を、1970年代から1980年代に流行した数々のヒットナンバーが彩る青春群像劇だ。オリジナル版では、民主化の過渡期だった当時の韓国の時代背景を舞台に、韓国女性のパワフルさが表現され、それが本作の魅力に反映されている。 【注目ポイント】 日本リメイク版の『SUNNY 強い気持ち・強い愛』では、監督と脚本を大根仁が務め、場面を1990年代中盤に置き、“アムラー”などが出現していたコギャル文化などが取り入れられるなど日本版としてのアレンジが加えられている。 がんに侵され、余命いくばくもない学生時代の親友のため昔の仲間を探していくうちに、少しずつかつての輝きを取り戻していく姿を、青春時代と現在のパートを交えながら描いている。ストーリー展開はオリジナル版とほとんど変わらない。 “サニー”のメンバーが韓国版では7人、日本版では6人という違いはあるものの、それぞれのキャラクター設定なども、韓国版のものを引き継いでいる。 違いを生み出しているとすれば、コギャル雑誌「egg」や、使い捨てカメラ「写ルンです」、そして、当時のJポップの先頭を走っていた小室哲哉が音楽を担当するなど、日本的な文化を象徴するようなアイテムが散りばめられ、当時を知る日本人ならば、誰もが懐かしいと思えるような作品になっているという点だ。 国を問わず、いつの時代も元気に時代を引っ張るパワーを持つ“女子高生”という存在を主軸に置き、日本独自のカルチャーを散りばめて日本的な作品にしながらも、本質的な部分では、韓国版を上手に踏襲した作品に仕上がっている。
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