知床観光船事故2年 社長立件へ詰めの捜査 予見可能性を立証方針
【小樽】オホーツク管内斜里町の知床半島沖で小型観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は、業務上過失致死容疑で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の桂田精一社長(60)の立件に向け、事故当時の状況を再現した検証実験で原因の解明を進めるなど、詰めの捜査に入った。釧路地検と協議を続けながら、関係者を事情聴取しており、桂田社長に予見可能性があったと立証する方針だ。 捜査関係者によると、1管本部は、桂田社長が2022年4月の事故当日、強風・波浪注意報の発令で航行の危険を予測できたにもかかわらず、運航管理者として、豊田徳幸船長=当時(54)、死亡=に出航中止を指示する義務を果たさず、事故を招いたとみている。