兵庫の女児刺傷事件容疑者、関与明かす手紙…「この前刑事に自供したんです」
「塾付近で女の子狙った」と供述
兵庫県たつの市で2006年、9歳だった小学4年の女児が刺されて重傷を負った事件で、殺人未遂容疑で県警に逮捕された無職勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が逮捕前の任意聴取に対し、「子どもが集まる塾付近で数時間前からうろうろし、女の子を狙っていた」という趣旨の供述をしていたことが捜査関係者への取材でわかった。県警は塾付近で待ち伏せし、女児を物色していたとみている。
勝田容疑者は06年9月、塾から帰宅中だった女児の胸部と腹部を刃物で数回刺し、全治2か月の重傷を負わせたとして7日に逮捕された。調べに対して「女の子を刺した」と供述する一方、殺意は否認。女児とは面識がなかったという。県警は8日、勝田容疑者を送検した。
捜査関係者によると、勝田容疑者は任意聴取に事件への関与を供述。直前に現場付近で別の女児が抱きつかれた暴行事件(公訴時効成立)への関与も認めた。周辺の路上では06年6~7月、別の女児2人が男に殴られたり、体をつかまれたりする被害があり、県警は目撃証言などから勝田容疑者が関与したとみている。
勝田容疑者は逮捕前の任意聴取に、07年に加古川市で小学2年の女児(当時7歳)が刺殺された事件への関与についても詳述した。県警は慎重に関連を調べている。
勝田容疑者は逮捕前の8~9月、たつの市や加古川市の事件について関与を認める内容の2通の手紙を、当時収容されていた徳島刑務所からフリーライターの高橋ユキさん(50)に送っていた。
勝田容疑者は2004年に岡山県津山市の住宅で小学3年の女児(当時9歳)を刺殺したとして、18年に殺人容疑で逮捕され、23年9月に無期懲役判決が確定した。
高橋さんは津山市の事件について取材するため、21年10月に始まった公判を傍聴し、翌11月から勝田容疑者と手紙のやりとりを続けていた。今年8月22日の消印が押された手紙には、たつの市の事件で5月下旬から兵庫県警の取り調べを受けているとし、「また逮捕されそうですっ」「自分でした事なので仕様(しよう)がない」とつづられていた。
9月12日消印の手紙には、たつの市と加古川市の事件について、「どちらも自分がやった事なので、この前刑事に自供したんですよ」と記されていた。