10試合連続7位以内なのに未勝利! 山下美夢有が“七不思議”にいよいよピリオド?
<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 2日目◇14日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県)◇6560ヤード・パー72> 政田夢乃さんのいい笑顔【写真】 2季連続年間女王の山下美夢有が今季初Vに王手をかけた。首位の菅楓華と1打差の2位から出て、1番で10メートル強を沈めると、2番もバーディを奪うスタートダッシュであっさり単独首位の座を奪った。 その後は19歳のルーキーと一進一退のトップ争い。一時は首位の座を譲ったが、終盤の16番で7メートルをねじ込んで再び並び、最終18番はピン手前3メートルを沈める貫禄のバーディでルーキーを突き放した。 「きのうに比べて、ショットはましでした。全体のリズムが良かったと思う。同組の菅さん、小林光希さんも自分と同じように淡々とプレーしていたので、リズムよく回れたと思います。まずまずという感じです」 フェアキープ率は57.14%(8/14)と低調だったが、パーオン率は94%(17/18)と確実にグリーンをとらえ、バーディパットを打ち続けた。初日に続き、この日もボギーを叩かなかった。これで前週の「ソニー 日本女子プロ選手権」第2R途中から84ホール連続ボギーなし。前週の初日にツアー記録を更新していた連続ボギーなしは102ホールで止まったが、ボギーを打たない女王の真骨頂のゴルフで、待望の今季初Vに向けてひた走っている。 「徐々に良くなっていると思います。とりあえず、目の前に集中して、あすもしっかり伸ばせるように頑張ります」 今季は2位が6度。あと一歩のところでツアー通算12勝目を逃してきた。4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」から前週まで出場10試合連続トップ10入り。いずれも7位以内を外さない“高値安定”ながら、優勝はなし。1990年のト阿玉(台湾)による11試合連続に次ぐ珍記録をようやく止めるときがやって来た。 首位で最終日を迎えるのは5月の「RKB✕三井松島レディス」以来で、首位に立つのもそのとき以来、今季2度目となる。この日は両親に加え、8月の日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストでトップ合格した弟・勝将(近大4年)も“サプライズ”で応援に訪れた。 「来ることは全然知らなかった。朝の練習場で会って、びっくりしました」。家族の目の前で単独首位に立ち、そのままゴールに飛び込む。女王のプライドにかけて、今度こそグッドルーザーを返上してみせる。(文・臼杵孝志)