木と対話し大きく甘く 埼玉オリジナル品種のナシ「彩玉」 栽培は県内の生産者に限定 テレビでも取り上げられ人気上昇中 大きさと甘さが特徴
島田は1991年度に県庁に入庁し、同センターに配属された。新品種開発のため八つの組み合わせで交配した苗200本以上があり、同年に果実の調査が始まった。担当となった島田は、数十~百個の糖度や食味を確認し、選抜する作業を繰り返した。「だいたいは硬かったり、酸っぱかったりとまずくて食べられなかった」と苦笑する。 彩玉について島田は「中くらいの評価」だったが、97年に当時の上司が「大きくて収量がある」と目を付けた。そこで本格的な栽培に取り組んだところ、重さ700~800グラムという大型、かつ糖度の高い品種に成長。それが決め手となり、2005年に品種登録された。 島田は「20年以上前、重さ1キロを超えるナシはなかったのですごいインパクトだった。ナシは国が育種したものがメインで、県の品種としては大成功の部類。県内で定着し、本当にうれしい。ライバルがいる中で20年残っているのが奇跡」と笑顔を見せた。