遠藤憲一、30年ぶりの再演が話題『忍者戦隊カクレンジャー』撮影時に熱中症になっていた
渋い表情で決めると迫力満点の強面なのに、ニコッと笑うと誰もが「エンケンさん!」と声をかけたくなる俳優、遠藤憲一。多面的な魅力を縦横無尽に使い分ける彼が現在取り組んでいるのは、心と身体が“全国民”と入れ替わってしまう、総理大臣・武藤泰山役だ。9年前の2015年に放送されて大人気となった『民王』(テレビ朝日系)の続編『民王R』に挑んでいる、遠藤憲一のTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】 ■【画像】63歳・遠藤憲一が人生の転機を語る。ちゃめっ気のある人柄がよくわかるTHE CHANGEオリジナル動画 2024年は、9年ぶりの『民王R Inspired by 池井戸潤』武藤泰山役と、もうひとつ、なんと30年ぶりに同じ役柄を演じることになった、1994年に放送されたスーパー戦隊シリーズ『忍者戦隊カクレンジャー』の悪役・貴公子ジュニア役だ。 「放送から30周年ということで『第三部・中年奮闘編』っていうのを、配信でやったんですよ。ニンジャブラック/ジライヤ役のケイン・コスギくんをはじめ、カクレンジャーは全員オリジナルメンバー。楽しかったですね」 シリーズが放送されていたころ、遠藤は30代。ヘビメタ風の衣装に身を包んでギターを抱え、ノリノリで悪役を演じたというが……。 「今回あの衣装で、ちょっとだけだけど、アクションがあったんですね。しかも、撮影したのは真夏の倉庫。何度かやっているうちにクラクラしてきちゃって。30年前も、そんな条件の撮影はあったけど、さすがに60歳を超えた俳優がやるのはしんどかった(笑)」
西郷輝彦から還暦手前に受け取った「60代は最高だぞ」の意味
現在、63歳。体力的にキツいなと感じることも増えてきたというが、60歳を迎える直前に先輩俳優から言われたことが支えになっているという。 「2020年に西郷輝彦さんとドラマでご一緒したときに、オレが来年60歳になると言ったら“60か、若いな! 60代は最高だぞ”とおっしゃったんですね。 で、“どういうところが最高なんですか?”と尋ねたら答えてくださったんですけど、当時はコロナ禍真っ只中で、お互いフェイスシールドやらマスクやら付けて距離を取っていたもんだから、全然聞こえなくて(笑)。あとで教えてもらったところ“培ったものを全部出せる世代なんだ”と」 西郷輝彦さんは、その2年後に75歳で他界。しかし、受け取った言葉は、遠藤憲一の中で生き続けている。 「いま、『民王R Inspired by 池井戸潤』でたくさんの人たちと入れ替わる役に悪戦苦闘していますけど、俳優として培ってきたものを全部出せる役だと思うんです。60代でこの役に全力投球してやり遂げることができたら、70代、80代になったときに“充実した役を演じさせてもらった”と振り返ることができるんじゃないかなと思っています」 『民王R Inspired by 池井戸潤』の第1話は、60代の武藤泰山が、政治家として引退決意したところからスタート。 「泰山とオレは同年齢なので、政治家を辞めるっていうのはちょっと早いなと思いましたよね。まぁ“ここからは楽しんでいこう”という気持ちはわからなくはないですけど」