ユキホオジロ絵本で知って 別海の野付半島ネイチャーセンター
北海道別海町の野付半島ネイチャーセンター(町野付63)はこのほど、人気の野鳥「ユキホオジロ」が故郷の北極圏から野付半島にたどり着き、越冬する様子を紹介した絵本「ユキホオジロのぼうけん」を発刊した。同センターでは「今までユキホオジロを見たことがない人に読んでもらいたい。スズメと同じような大きさの鳥が北極圏から飛来してくることを知ってほしい」と話している。 同絵本はA5判サイズ(横)で全54㌻。文章執筆とイラストの作画は専門員の坂口つくしさん(28)、写真撮影は藤井薫センター長(65)が担い、親交のある野鳥研究者らも画像を提供。昨年3月下旬から創作活動を進め、12月上旬に完成した。 ロシア東部のカムチャツカ半島で生まれたユキホオジロの小鳥が主役。親と一緒にどのようにして約5000㌔離れた野付半島にたどり着くのか、何を食べ、どのような場所で越冬し、どんな天敵がいるのかを、文章とユキホオジロの親子が餌をやり取りする様子や越冬を終えてロシアへ戻る姿など親しみある水彩画のイラストを交え説明している。後半では、野付半島やロシアでのユキホオジロのさまざまな姿の写真を掲載している。 同月14、15日に初開催の「のつけバードランドフェスティバル」に合わせて販売を開始。メイン会場となった同センターでは、来場者が興味深く絵本を手に取る姿が数多く見られ、好評だったという。 坂口さんはユキホオジロを多くの人に知ってほしいと思う一方、撮影に夢中になり、接近し過ぎてすみかを荒らすカメラマンや餌付けしておびき寄せようとするなど、越冬に悪影響がある行為が最近確認されたと指摘。「ユキホオジロがせっかく渡ってきても、マナーの悪い人間がいると安心して冬を越すことができない。冷静になり距離を置いて見守るといった鳥と自然への配慮もこの絵本から感じ取ってもらえたら」と語る。 価格は1100円(税込み)。同センター売店ほか、ホームページからの申し込みで販売している。問い合わせは同センター0153(82)1270へ。
釧路新聞