フジコ・ヘミングさん死去 92歳 3月にすい臓がんと診断 『奇蹟のカンパネラ』がヒット
クラシック界で異例のヒットを記録したアルバム『奇蹟のカンパネラ』などで知られる、世界的ピアニストのフジコ・ヘミングさんが4月21日に亡くなったことを2日、フジコ・ヘミング財団が発表しました。92歳でした。 同財団によると、フジコ・ヘミングさんは2023年11月に自宅で転倒し、復帰を目指して治療とリハビリを続け、順調な経過をたどっていたところ、2024年3月に受けた検査ですい臓がんと診断され、療養していたといいます。その後、4月21日に容体が急変し、亡くなったということです。 葬儀は、本人及び親族の遺志により、近親者のみで執り行われ、お別れの会については検討中だとしています。 公式サイトによると、フジコ・ヘミングさんは、ロシア系スウェーデン人の画家・建築家の父と、日本人ピアニストの母のもと、ベルリンで誕生。母の手ほどきで5歳からピアノを始めると、28歳でドイツへ留学しました。ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業し、長年にわたってヨーロッパに在住しながら、演奏家としてのキャリアを積みました。その後、リサイタル直前に風邪をこじらせ聴力を失いながらも欧州各地で演奏活動を続け、“魂のピアニスト”と呼ばれていました。 1999年に発売されたファーストCD『奇蹟のカンパネラ』が、クラシック界異例のヒットを記録するなど、これまで日本ゴールドディスク大賞、4度にわたる各賞のクラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞。近年も精力的に活動していて、3月には米・ニューヨークのカーネギーホールでの公演が予定されていたということです。