もう限界です…「年金月6万円」73歳母への“エンドレス仕送り”で窮地の〈月給33万円〉40代息子が、年金機構から母に届いた「緑色の封筒」に救われたワケ【CFPの助言】
年金生活者である母親に、毎月7万円の仕送りを続けている川上さん(仮名)。毎月ギリギリの生活ですが、子どもの高校受験を前に、さらなる教育費負担がのしかかります。そんなときに母親のもとに日本年金機構から届いた「緑色の封筒」。中身は何だったのでしょうか? 今回は「年金生活者支援給付金」について、FPの辻本剛士氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
年金生活者の母に仕送りを続けているためギリギリの生活を過ごす日々
川上健司さん(仮名・41歳)は、妻と2人の息子との4人家族です。健司さんは、大学卒業後から中小企業で品質管理課に勤務しており、優しく母親思いの性格です。家庭では、健司さんが月約33万円、妻がパートで月4万円ほどの収入があり、家族の月収は合わせて37万円になります。 しかし、生活費に月30万円、加えて健司さんの母親への仕送りに7万円が必要なため、毎月の生活はいつもギリギリで貯蓄をする余裕はありません。 健司さんの母である直子さん(仮名・73歳)は、一昨年、夫と熟年離婚した後、市営住宅で一人暮らしをしています。 直子さんの収入は、老齢基礎年金で月6万円です。かつては、スーパーのレジ業務に従事していましたが、体調を崩したことを機に、退職しました。 生活保護を受ける選択肢もありましたが、直子さんは世間体を気にして、頑なに拒否しています。このため、健司さんは毎月経済的な援助を続け、母親の生活を支えています。 高校受験を控える長男の教育費負担増によっていよいよ生活が限界に― そんな川上夫婦ですが、長男の高校受験が間近に控えており、受験対策として塾に通うことになったため、その費用として、毎月約3万円が新たにかかることに。この追加費用が、すでに川上夫婦の限界に近い家計にさらなる圧力を加え、家計は今後赤字に転じる見込みです。 状況を見かねた妻が、夫に強く訴えかけます。 「これから長男の高校受験のために、毎月3万円も負担が増えるの。いよいよ貯金を取り崩さなければならないわ。そろそろお母さんの仕送りを見直してくれない? 生活保護の選択肢もあるわけだし」 しかし、健司さんはこの提案を却下します。 「それはできないよ。俺たちの支援がないと、母さんは生活ができなくなってしまう。それに、何度か生活保護について提案してみたけど、母さんは断固として受け入れてくれないからな」 妻も食い下がります。 「じゃあ、私たちの生活はどうなるのよ! いつまでたっても生活が楽にならないじゃない!」 この言葉に、つい感情的になる健司さん。 「じゃあ、俺がなんとかするよ! 休みの日にアルバイトでもして稼いでくるから!」 夫婦間に流れる、険悪な空気―。とはいえ、仕事に忙殺されている健司さんは、すぐに週末バイトを始める準備もできず、家計不安に悩みつつ、時間だけが過ぎていく日々を過ごしていました。