日本株は反落、金融など安い-エヌビディア決算や地政学リスクを警戒
(ブルームバーグ): 20日の東京株式相場は反落。米エヌビディアの決算発表を前に買いが手控えられ、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクもくすぶる中、朝高後に失速した。米国債利回りの低下を受けて銀行など金融株が売られたほか、自動車や商社、医薬品も安い。
一方、創業家が年度内に買収を完了させる案を軸に調整していると報じられたセブン&アイ・ホールディングス(HD)株を中心に、小売株は堅調。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、ウクライナ情勢を巡るロシアの動きが気になるとし、為替相場やエネルギー価格が変動するようなら日本にも影響は及ぶと述べた。エヌビディア決算については、強い内容が見込まれるが、株価が高値近辺にあるだけに、高い市場期待に届かなければ米国株全体や日本株が下に引きずられかねないと指摘する。
東京海上ホールディングスが6.8%値下がりし、TOPIXの下落に最も寄与。指数構成銘柄2128のうち、818銘柄が上昇、1193銘柄が下落している。
一方、セブン&アイ株が一時11%高となり、米アクティビスト(物言う投資家)の株式保有が明らかとなった東京ガス株も急騰。カドカワの買収に向けて協議していることが前日に判明したソニーグループとカドカワの株価も上昇している。
インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは、米大統領選後のトランプトレード急増後、市場は正常化し始め、投資家は企業業績により注目していると指摘。市場はエヌビディア決算を待っており、きょうは大きな動きは予想していないと述べた。
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Alice French, Toshiro Hasegawa