選挙前と変化…石破首相、所信表明演説で“異例の配慮”なぜ? 野田氏「スカスカ」 玉木氏は「評価」
日テレNEWS NNN
「真摯(しんし)」「丁寧」「謙虚」。29日、石破首相はこうした言葉を用いて2度目の「所信表明演説」を行いましたが、この言葉の裏には異例ともいえる“ある配慮”がありました。 ◇ 衆院選後、初となる所信表明演説に臨んだ石破首相。 石破首相 「常時率直に意見をかわす慣行を作り、おのおのの立場を明らかにしつつ、力を合せるべきことについては相互に協力を惜しまず、世界の進運に伍(ご)していくようにしなければならない」
冒頭のこの言葉、実は石破首相と同じく政権基盤の弱かったという、石橋湛山元首相の言葉を引用したもの。 「他党にも丁寧に意見を聞く」と、少数与党として野党に歩み寄る姿勢を見せました。 「103万円の壁」の見直しを主張してきた「国民民主党を意識した演説だ」という声も上がっています。 石破首相 「いわゆる『103万円の壁』については、令和7年度(2025年度)税制改正の中で議論し引き上げます」 その「壁」について、石破首相は引き上げを自ら明言。玉木代表も、大きくうなずきました。 先月4日、選挙前の所信表明演説の際には… 石破首相 「国民の皆様の納得と共感を得られる政治を実践することにより」 「納得と共感を頂きながら」 「納得と共感」を繰り返した石破首相。今回の演説にこの言葉はなく、かわりに強調したのが… 石破首相 「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様方の安心と安全を守るべく、取り組んでまいります」 この変化、どういう意図があるのでしょうか。
政治部 官邸キャップ 平本典昭記者 「まず消えたのは『共感と納得』という言葉です。『共感と納得』は主に国民に向けた言葉でした。増えた言葉が『真摯』『丁寧』『謙虚』という言葉です。『真摯』に向き合う相手は『国会での野党』と言えます」 「石破首相は前回は選挙前だったこともあり、国民の支持を得ることが政権運営のカギを握るとしていたのが、選挙で少数与党になったことで『野党の協力』を得ることを最優先にギアチェンジした演説だったと言えます」 では、少数与党の国会で実現する見通しの「103万円の壁」は、今後どう進むのでしょうか。