【Mリーグ】変わる押し引き 変わらない打牌スピード 寿人選手の強み
【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】 12月26日第2試合 南3局0本場=鈴木優(P)、醍醐大(フ)、佐々木寿人(格)、渋川難波(サ) 【写真】ヤミテンを選択して… 新年明けましておめでとうございます。KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。今年もよろしくお願いいたします。昨年を振り返ると、上半期はMリーグでも調子は良かったのですが、新シーズンが始まってからはチームの足を引っ張ってしまっているので、今年は少しでも貢献したいです。 新年1発目のコラムは、サクラナイツの年内最終戦となった一戦からです。5巡目に醍醐選手が9筒チーと目立つ仕掛けをして赤5索を切っていきます。オーラスを寿人選手より上の2着目で迎えたい局面のため、3900点以上はある仕掛けだろうなと予測できます。 そんな醍醐選手に対し、寿人選手はいつも通り淡々と打って、7巡目に36萬でテンパイします。タンヤオ・ピンフ・赤赤で満貫はあるとはいえ、今までの寿人選手ならばリーチして6000オール以上を引いて一気に上に立ってやろう、というイメージです。しかしここで選んだのはヤミテンです。生牌(ションパイ)の發もスッと切り、それに対し速度感を感じた渋川選手がリーチに備えて切った3萬をとらえて、トップ目からの直撃に成功しました。これにより自身がトップ目に立ち、逃げ切りました。 今季のMリーグでここまでリーチ率が最下位ということからも分かるように、寿人選手の麻雀はだいぶ守備寄りに変化しましたし、周りの状況を見て自分の押し引きを変えるようになりました。 この日の南1局1本場でも、ピンフ赤赤の手をヤミテンでアガりました。 待ちの47萬がすでに4枚切られていること、親のリーチの現物であることを考えると多くの人がヤミテンにすると思いますが、寿人選手の強さはヤミテンの判断もノータイムだということ。だからこそ本当に読みづらく、やりにくい。この時のテンパイ打牌は無スジの2萬でしたが、いつも同じテンポで押しているので、テンパイなのか、ただ無スジを切っただけなのか、分からないのです。常に一定のスピード感あふれる打牌により対局者は考える時間が減りますし、情報をキャッチできません。押し引きが変わったとはいえ、これが寿人選手の強みの一つであることは変わらないです。
岡田紗佳