70歳代「年金支給時に最低準備したい金額」平均で1685万円。実際に貯蓄「1500~2000万円未満」は何パーセントいるのか
70歳代二人以上世帯「貯蓄保有世帯」なら「貯蓄1500~2000万円未満」は何パーセント?
先ほどの統計には貯蓄を保有しない世帯も含まれていたため、ここでは貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきます。 ●【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500~2000万円未満の割合 ・8.2% ●【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500万円以上の割合 ・41.6% ●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:2188万円 ・中央値:1100万円 貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄1500~2000万円未満は8.2%。1500万円以上は41.6%にのぼりました。 平均も2000万円を超え、実態を表すといわれる中央値でも1000万円を超えています。 年金生活に入っている世帯が多くなる70歳代においては、約3~4割が最低限の貯蓄を備えているといえますね。 なお、同調査では70歳代を迎えてもなお「収入から貯蓄に回している」と回答した人が一定数います。 次章にて「手取り収入からの貯蓄割合」について確認しましょう。
70歳代で「手取り収入から貯蓄に回す」人は52.5%。だいたい何%を貯蓄しているのか
70歳代のうち、「手取り収入から貯蓄に回す」と回答した人は52.5%にのぼりました。割合は以下のとおりです。 ●年間手取り収入からの貯蓄割合 ・平均:8% ・5%未満:5.1% ・5~10%未満:11.4% ・10~15%未満:17.3% ・15~20%未満:2.7% ・20~25%未満:6.5% ・25~30%未満:1.1% ・30~35%未満:3.9% ・35%以上:4.3% ・貯蓄しなかった:47.5% 最も多いのは「10~15%未満」で、平均は8%でした。 仮に年金収入が手取りで15万円という場合、1万5000円~2万2500円を貯蓄に回すという人が多いということです。
年金生活に入るための準備をしよう
年金生活を迎えるにあたり、どれほどの貯蓄が必要なのかは個人によって異なります。 統計資料では、例えば40歳代では平均で2068万円と回答していますが、厚生年金の加入者かどうかでも変わるのではないでしょうか。 国民年金のみであれば満額でも月額6万円台のため、貯蓄2000万円では取り崩しペースによって足りない可能性もあります。 年金見込み額を把握することで、年金生活に向けた準備を進めていきましょう。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・金融庁「新しいNISA」
太田 彩子