事前調査で遺跡や古墳が出てきたのが原因!? ドッグレッグホールにはゴルフ場の“裏事情”が満載ってホント?
事前調査で歴史的な遺跡が見つかることもある
また飯島氏は「コース設計を変更しなければならないケースは他にもある」と話します。 「ゴルフ場を建設する際には、手を加える土地がどんな状態であるか事前調査を実施します。その時に予想外の歴史的な遺跡が見つかることがあるのです」 「縄文時代の住居跡や長い年月のうちに埋められてしまった古墳などはその一例で、中でも考古学的に価値が高いと判断されたものは解体せずに現状保存となります。しかし、開発する土地の形に合わせてコースやクラブハウスの位置などは決まっていることも多いので、そのような状況になったら急きょホールレイアウトの調整が入ります」 「むしろ、最初に設計された通りにそのままの形でゴルフ場が作られることの方が珍しいと思います。ただ、設計家も不測の事態に備えてレイアウトのパターンは前もっていくつも考えているため、想定外に遺跡が発掘されたとしても、建設が延期になるのはあまりないでしょう」 実際に、ゴルフ場建設により周辺の土地を調査したところ、遺跡が発掘された事例は数多く挙がっています。例えば、千葉県の「東急セブンハンドレッドクラブ」近くでは旧石器時代のナイフ型石器や縄文土器など発見され、埼玉県の「おおむらさきゴルフ倶楽部」では平安時代の住居や木炭を作る炭窯の跡などが見つかっています。 ゴルフ場は、敷地が広い分だけその範囲内で何が起こるかわからず、時にはコース設計の大幅な変更を求められる場合もあるようです。普段からゴルフ場のレイアウトに興味を持って見てみると「どうしてここがドッグレッグになっているの?」というような疑問が出てきて面白いかもしれません。
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