ドコモ新社長「自前の銀行」に意欲 dポイント経済圏の拡大見すえ
NTTドコモの新社長に14日付で就いた前田義晃氏が18日、就任会見を開いた。競合するKDDIなど他3社のグループにはあるのに、ドコモだけが持っていない「自前の銀行」について、「最難関だが、自分たちで立ち上げるというやり方もあるかもしれない。さまざまな検討を進めている」と意欲を示した。 記者からの質問に答えた。携帯各社は近年、格安スマートフォン業者との競合が激しく、月々の通話料金の大幅な伸びは見込みづらい。 そこで、ドコモが携帯電話事業で競合するau(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルはそれぞれ、auじぶん銀行、PayPay(ペイペイ)銀行、楽天銀行を持ち、それぞれの経済圏をつくって顧客を囲い込み、収益力を高めようとしてきた。 一方、携帯キャリア最大手のドコモは、自社が提供する専用アプリと三菱UFJ銀行の預金口座の二つを連携させるとドコモの「dポイント」がもらえる「dスマートバンク」はある。ただ、銀行本体の展開はしていない。 そこで昨秋以降、ネット証券大手のマネックス証券や、オリックス傘下のオリックス・クレジットを相次いで子会社化。「非通信」の金融決済サービスを強化することで、dポイントを核とした経済圏を広げ、顧客囲い込みにつなげる狙いだ。
朝日新聞社