草刈民代が考える愛車選び 免許取得が遅いからこその思いとは
身内の“ボルボ・ブーム”
続いて試乗するのは、2022年に日本でのデリバリーが始まったボルボ「C40 Recharge」。ボルボの最新のBEVのデザインを見ながら、草刈さんのご家族の間でちょっとした“ボルボ・ブーム”が巻き起こっていることを聴く。前編で記したとおり、草刈さん3姉妹と両親は、とても近い距離で暮らしている。 「車種はわからないのですが、2番目の妹はボルボに乗り始めて以来、『すごく乗りやすい!』と、絶賛しています。それで、「私も!」と、母もボルボにすることになりました。一番下の妹はトヨタの大きめの黒いSUV……『ハリアー』に乗っていたんですが、メルセデスのセダンに換えて、その後ボルボの大きめのSUVに。今、母と妹ふたりは、みんなボルボに乗っています」 こんなエピソードを披露してから、草刈さんはボルボC40 Rechargeに乗り込んだ。 そして、「インテリアがシンプルですね」と、驚く。ドライバーの視界に入るスイッチやダイヤルなどの突起物が少ないのだ。 都心の道を走り出した草刈さんは、「なるほど!」と、うなずいた。 「母や妹が運転がしやすいと絶賛するのも納得ですね。確かに走りやすいと思います。インテリアのシンプルなデザインも、操作がわかりやすいことにつながっているようです」 ほんの短い時間ではあったけれど、2台の最新BEVに試乗した草刈さんは、なにを感じたのだろうか。 「ベンツの電気自動車は、本当に違和感がありませんでした。ベンツのエンジン車に乗っている人なら、スムーズに移行できると思います。いっぽう、ボルボはさらっとしていてやさしいクルマだと感じました。でも私の場合は、ビーエムのハンドルの重さとか、ベンツのどっしりした感じとか、ちょっと重みを感じさせるもののほうが運転をしているという実感を得られるようです。実際に運転をしてみると、自分の好みがわかって、とても楽しい取材でした」 そして草刈さんは、「私は免許を取ったのも遅いですし、運転する時はまず『安全に』という気持ちが強いようです。乗っているときの居心地のよさや安心感がなによりも大事なのだということを、改めて実感しました」と、言いながら、愛車のメルセデス・ベンツML350 BLUETECに視線を送った。 いずれは電気自動車に乗り換えるにしても、草刈さんとMクラスの蜜月はもう少し続きそうだ。
【プロフィール】草刈民代(くさかりたみよ)
東京都出身。7歳でバレエを始め、1981年より牧阿佐美バレヱ団に参加。96年の映画『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、新人俳優賞を受賞。99年、ローラン・プティ氏の「若者と死」の死神役に抜擢される。2009年、プロデュース公演「エスプリ~ローラン・プティの世界」でバレエダンサーを引退。引退後は俳優として映画、ドラマなどで活躍。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・齋藤美紀 スタイリング・宋明美 編集・稲垣邦康(GQ)