第95回選抜高校野球 東海大菅生、春が来た 二松学舎は4季連続(その2止) /東京
<センバツ高校野球> ◇「優勝目指す」決意新た 二松学舎大付には、2021年夏から4季連続の甲子園出場の知らせが届いた。鵜飼敦之校長は両手でガッツポーズし、立野淳平・野球部長と握手。職員や生徒からは拍手が起こった。 野球部員は普段、千葉県柏市のグラウンドで練習しているが、千代田区の校舎内で発表を聞いた。選手たちはエントランスホールに集まり整列した。 鵜飼校長が、春夏合わせて12回目の出場に触れ「強豪として自負して良い。日本一を目指して二松学舎大付の名を全国にとどろかせてほしい」と激励すると、部員たちは「はい」と大きな声で答えた。主将の押切康太郎(2年)が「秋の都大会(決勝)で負けた悔しさをセンバツでぶつけて、絶対に優勝して良い報告ができるようにします。応援よろしくお願いします」と決意を語った。 昨秋の都大会でチームは世田谷学園との準々決勝で14安打、帝京との準決勝で13安打など、8試合中7試合で2桁安打を放った。東海大菅生との決勝では敗れたが、この試合でも10安打を記録した。 存在感を見せたのは、昨夏の甲子園でも本塁打を放った4番の片井海斗(1年)。3本塁打を含む13安打で引っ張った。片井、毛利拓真(2年)ら打率が4割超の打者がおり、8試合で96安打を放ち、67得点をあげた。 投手陣は継投がカギを握りそうだ。準々決勝以降は、打線でも中軸を担う大矢青葉(同)が先発し、エースの右腕、重川創思(同)がリリーフした。重川は予選から6試合に登板し、自責点4と好投し準優勝の立役者となった。 チームは昨年、甲子園でチーム初の夏2勝を挙げ、今回のメンバーには甲子園経験者も多い。センバツの最高成績は1982年の準優勝。当時のエースだった市原勝人監督は「選手たちは優勝を目指しており、僕を抜いてくれれば」と期待した。 重川は「ここからまた2カ月、気を引き締めて練習したい」と気合を入れ直し、片井は「(甲子園に)1回行って、さらに行きたいという気持ちが大きくなっていた。選んでもらったからには、しっかり最後(決勝)までやりたい」と笑顔で夏に続く活躍を誓った。 ◇甲子園春夏11回出場 1948年開設の私立校。原点は1877(明治10)年創立の漢学塾二松学舎で、文豪の夏目漱石や元首相の犬養毅、柔道の講道館創設者・嘉納治五郎らを輩出した。 「東洋の文化を学ぶことこそが、我が国本来の姿を知りうることになる」と唱えた創立者・三島中洲の教えを守り、「温故知新」「知行合一」を基調とした教育理念を掲げる。特進、理系、進学、体育の4コース制。生徒数は697人(昨年12月1日現在)。 野球部は1958年創部。現在、部員は40人。甲子園は春夏通算で11回出場。センバツは82年の準優勝が最高成績。OBに元千葉ロッテの初芝清氏、米大リーグ・カブスの鈴木誠也、千葉ロッテの秋山正雲ら。