イスラエル軍にレバノンで死者、地上侵攻で初-G7はイラン制裁計画
(ブルームバーグ): イスラエル当局は2日、レバノン南部での親イラン民兵組織ヒズボラとの衝突でイスラエル軍兵士8人が死亡したと発表した。地上侵攻で同国軍に死者が出たのは初めて。イスラエルはイランとの紛争激化も懸念されている。
イスラエルはレバノン南部に増援部隊を派遣すると発表。ヒズボラに対して新たな空爆を行っていることも明らかにした。ヒズボラ側は、イスラエル領内へのロケット弾発射を繰り返しており、イスラエル軍の戦車3台を破壊したとしている。
イスラエルによるレバノン侵攻とイランによるイスラエルへのミサイル攻撃により、地域全体に紛争が拡大するとの懸念が高まっている。中東情勢の緊迫化を受け、イタリアは2日に主要7カ国(G7)緊急首脳会議を招集。G7首脳は会議後、地域紛争は誰の利益にもならないとし、外交的解決は依然可能だと述べた。バイデン米大統領は、G7がイランに対する制裁を協議していることを明らかにした。
ネタニヤフ政権は、イスラエルに対して約200発の弾道ミサイルを発射したイランに対する報復を行うと言明している。イスラエル紙ハーレツは2日、イランの攻撃で複数の空軍基地が被害を受けたと報じた。
イスラエル野党指導者のラピド前首相は、「イランは甚大かつ重い」代償を支払わなければならないと発言。ネタニヤフ首相のライバルの1人であるベネット元首相は「イランの核開発プログラムと主要エネルギー施設を破壊する」よう求めた。
バイデン氏は2日、イラン核施設への攻撃を米国が支持するかとの質問に対しては「ノーだ」と回答。「イスラエルには対応する権利があるという点でG7は一致しているが、対応は妥当なものでなければならない」と語った。
原題:Israeli Troops Slain in Lebanon as Threat of Wider War Grows (1)(抜粋)
--取材協力:Courtney McBride、Iain Marlow.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Henry Meyer, Marissa Newman