米ラスヴェガスのテスラ車爆発、容疑者は米特殊部隊員 爆発前に自殺と当局
米ネヴァダ州ラスヴェガスにある「トランプ・ホテル」の外で、米電気自動車(EV)大手テスラの「サイバートラック」が爆発した件について、捜査当局は2日、この車両を運転していたのはアメリカ陸軍特殊部隊の現役兵士で、爆発前に自ら命を絶ったと発表した。 ラスベガス警察は車両の運転手について、コロラド州コロラドスプリングス出身のマシュー・アラン・リヴルスバーガー容疑者(37)だと特定した。リヴルスバーガー容疑者は事件当日の朝、ホテルから約1300キロ離れた場所で車両をレンタルし、運転していた。 クラーク郡検視局によると、容疑者は自分を撃って死亡した。 この事件では、現地時間1日午前8時40分ごろ(日本時間2日午前1時40分ごろ)、燃料缶と花火砲が積み込まれたサイバートラックが爆発し、7人が負傷した。当局によると、負傷者は全員軽傷だという。 警察によると、容疑者は1日朝、爆発の約2時間前にサイバートラックを運転してラスヴェガス市内に到着。ホテルのガラスの入り口付近に駐車された車両は煙を上げ始め、その後、爆発した。 ラスヴェガス警察は、サイバートラックが爆発を垂直方向に制限し、外側への拡散を防いだと述べた。車両に近かったホテルのガラスのドアや窓は割れなかった。 当局は、事件の動機についてはまだ特定していないと述べている。 ラスヴェガス警察のケヴィン・マクメイヒル保安官は2日の記者会見で、「これは自殺であって、その直後に爆発が発生したと考えている」と述べた。 マクメイヒル保安官によると、焼け焦げた車両からリヴルスバーガー容疑者名義の軍身分証、パスポート、半自動拳銃2丁、花火、iPhone、スマートウォッチ、複数のクレジットカードが回収された。 また、車両内の遺体は認識できないほど焼け焦げており、頭部に自ら撃った銃創があったという。一方で、運転手の遺体にはリヴルスバーガー容疑者のものと一致するタトゥーが二つ見つかったと、保安官は説明した。 リヴルスバーガー容疑者は昨年12月28日にコロラド州デンヴァーでサイバートラックを借りた。 警察は、デンヴァーからラスヴェガスまでの移動中に撮影された複数の写真と、テスラの充電技術を利用し、移動経路を追跡することができた。車両を運転していたのはリヴルスバーガー容疑者だけだった。 マクメイヒル保安官は、ラスヴェガスでのこの事件の容疑者と、ニューオーリンズで14人が死亡したトラック攻撃の容疑者の間にいくつかの類似点があるものの、明確な関連性はないと述べた。どちらの事件も1日に発生した。 両容疑者はノースカロライナ州のフォート・ブラッグ基地(現フォート・リバティ基地)に勤務していたが、同じ部隊に所属していた記録や、同時期に勤務していた記録はないという。また、どちらも2009年にアフガニスタンに従軍していたが、同じ地域や部隊にいた証拠はない。 マクメイヒル保安官はまた、両容疑者とも事件に使用された車両をレンタル会社Turoで借りていたと述べた。 そのうえで、「この人物や関係者がこれ以上、ラスヴェガスに脅威をもたらすことはないと考えている」と述べた。 リヴルスバーガー容疑者は、数十年にわたりアメリカ軍の勤務。陸軍と州兵の両方で働き、特殊部隊の情報軍曹として勲章を受けていた。 直近の勤務地はドイツだったものの、事件当日は休暇中だった。 リヴルスバーガー容疑者の父親は、BBCがアメリカで提携するCBSに対し、容疑者は妻と8カ月の娘に会うためにコロラド州にいたのだと明らかにした。 また、クリスマスに息子と最後に話した時は、何もかも普段通りで正常に思えたと話した。 (英語記事 Man in exploded Cybertruck was elite soldier and shot himself before blast )
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