日本代表最終ライン争いへ昌子源が3か月ぶりに戦列復帰!
日本代表の最終ライン争いに参戦
レッズに主導権を握られながらも、DF西大伍の鮮やかなゴールで先制した前半38分。昌子は喜ぶ素振りすら見せずに、永木とキャプテンの小笠原満男の両ボランチ、コンビを組むチョン・スンヒョン、MF安西幸輝らを大きなゼスチャーとともに集めて、即席のミーティングをピッチ上で始めた。 「レッズさんがワンタッチでポンポン回しているボールを、前から取りにいくのは無理があると思っていたので。ならば相手を下げさせるような守備というか、相手の前に立つだけでいいと僕は思っていたし、チームとしての戦い方をはっきりさせたいと思って(同じことを)ハーフタイムにも言いました」 昌子が戦列を離れている間に森保ジャパンが船出し、3つの国際親善試合をすべて勝利で飾っている。 4バックで形成された最終ラインで、ロシア大会代表の31歳の槙野智章(浦和レッズ)、23歳の三浦弦太(ガンバ大阪)が2度ずつ、新キャプテンに指名された30歳の吉田麻也(サウサンプトン)、東京五輪世代でもある19歳の冨安健洋(シントトロイデンVV)が1度ずつ、センターバックとして先発している。 ベテランと若手とで二極化する構図のなかへ、12月に26歳になる中堅の昌子が加わってくれば競争はさらに激化。成長を加速させる切磋琢磨が生まれることを望んでいる昌子は、所属するアントラーズで明確な結果を出すことが自身にとっての第一歩になることも理解している。 「ルヴァンカップとはまた違った応援をピッチで感じてアドレナリンが出てきたし、もっと頑張りたい、ずっと声援を受けていたい、という気持ちになりました。この先も連戦になり、紅白戦などもできないと思うので、公式戦をやりながら試合勘を戻していくしかないのかな、と考えています」 言葉通りに中3日で、水原三星(韓国)とのACL準決勝第2戦が敵地で待っている。ホームでの初戦を3-2で制しているアントラーズが、これまでベスト4にすら進んだことのなかったクラブの歴史を塗り替える結果を残せば、決勝戦は来月3日と10日にホーム&アウェイで行われる。 アジアを制すれば、中東UAE(アラブ首長国連邦)で12月に開催されるFIFAクラブワールドカップに挑むチャンスも生まれる。逆転優勝の可能性が絶たれたJ1では来シーズンのACL出場権獲得を目指し、そこへベスト8に勝ち残っている天皇杯も加わる。一方で日本代表のスケジュールを見れば、11月にもキリンチャレンジカップ2018が2試合あり、来年1月のアジアカップへとつながっていく。 レッズに味わわされた悔しさを糧に、さらなる過密日程を乗り切った先に、遅ればせながら4年後のワールドカップ・カタール大会へ向けたスタートラインに立った昌子の逆襲が幕を開ける。 (文責・藤江直人/スポーツライター)