『全領域異常解決室』ついに“豊玉妃花”福本莉子の正体が明らかに 諸林めいの名演も光る
浮かび上がった未琴(諸林めい)は何者なのかという疑問
第5話のラストでは、犯人に捕えられた興玉たちの前に妃花が姿を現す。ただの人間ではないことはわかっていたが、今回も特殊な能力を使ってヒルコ信者の犯人を倒していく。妃花は数々の事件を引き起こしてきたヒルコではなかったのである。監視カメラに映し出された映像、宇喜之民生(小日向文世)との会話、小夢に対して使った特殊能力……これまでさまざまなヒルコを疑わせる要素がちりばめられていたが、それは全てミスリードだったのだ。妃花が仲間であるとわかったときの安心感。第4話までの福本莉子の表情や仕草からじんわりとにじみ出るミステリアスな雰囲気はお見事だった。興玉を救出した際に放った等身大の女の子を思わせるセリフのギャップもいい。 同時に未琴は何者なのかという疑問が浮かび上がる。興玉は彼女が市杵島姫命、つまり神であると説明する。私たちが神と聞いて想像するのは人知を超えた姿をしている神だろう。だが、この世界には人の姿をした神が存在しており、人間と同様の生活をしているという。「全決」の本来の目的は神が引き起こした事件を人間に気づかれずに解決することだったが、ヒルコの登場で全てが変わってしまった。この先は全決とヒルコとの全面戦争となっていきそうだ。
川崎龍也