<チ。 -地球の運動について->小西克幸×中村悠一×仁見紗綾インタビュー(2) 会話劇で信念を表現 初めて3人がそろった瞬間は「面白い」
小西さん 僕は、オクジーが今、何を見ていて、心がどこにあるのか、ということを結構大事にしていったかなと思います。オクジーは、一番変わっていく人なんですよ。なので、それが見ている皆さんにも分かりやすいように、でもそれが押しつけにならないように、「あ、これがきっかけで、今こうなっているんだ」「しゃべり方がこう変わったんだな」と自然に伝わるように。ちょっとしたことなんですけど、この作品は会話劇でもあるので、そういうところを大事にしたほうがいいのかなと。彼がどう変化したのか?という。
仁見さん この作品は、長ぜりふが結構多いので、聞いてどう楽しむか、という。音響監督の小泉(紀介)さんからも「中身が動くことが大事だから」と何度も言っていただきました。心、気持ちが動くから言葉が出てくる。その流れを絶対に忘れちゃいけないし、それをまず大事にしていないと、届けられないし、相手の心も動かないというところもあるので、そういったところはすごく難しいなと思いながら、必死にやっていました。
◇3人がそろう瞬間に注目 オクジーが見た「あの空はきれいなんだろうな」
--演じていて印象に残っているシーンは?
中村さん 僕が面白いなと感じたのは、初めて3人がそろった時。ずっとベースはオクジーとバデーニで、ヨレンタは別の場所でドラマを進めていたわけで、その二つのドラマが一つになって、一緒に一つのものを達成させるために使命として動くことになる。その会話を掲示板の前でやるのですが、そこで合流した時が、なんだか面白かったですね。そろったんだ、というか。見ている人にとっては、そこからこの3人が力を合わせることによって、何か大きなうねりを作るのかな?と思うわけですし、僕もマンガを読んでいてそう思ったので。
仁見さん 私も初めてお二人(オクジーとバデーニ)とお会いした時ですね。ヨレンタは、天文台の研究所ではあまり良い待遇ではなくて、生きづらいところもあったと思うんです。最初はバデーニさんも、何かあったら切り捨てればいい、とおっしゃっているんですけど、やはり研究者として認めてもらえたり、一人の人としてちゃんと会話してくれていることにすごい喜びがあって。だから、ヨレンタもバデーニさんに対して質問が増えてきたり、会話の糸口があったりしたんだろうなと思っています。