クミコ、生誕100年の越路吹雪さんの「愛の讃歌」など名曲をカバーしたアルバムを7月10日発売
シャンソン歌手・クミコ(69)が、今年生誕100年を迎えた伝説の歌手・越路吹雪さんの名曲「愛の讃歌」や「アプレ・トワ」を新録したニューアルバム「私の好きなシャンソンVol.2~シャンソンティックな歌たち~」を、7月10日に発売することが決定した。 【写真】クミコのニューアルバムのスーパーバイザーを務めた安倍寧さん 2024年は、越路さん生誕100年、「愛の讃歌」の初録音から70年の節目の年で、さらに7月にはパリ五輪・パラリンピック開催が予定されており、フランスをルーツとする「シャンソン」に注目が集まる。クミコは「初めてシャンソンを知ったのが越路吹雪さん。チケットの取れないリサイタルには、幸運なことに2回行きました。今の時代、絶滅危惧種と言ってもいいようなシャンソンの録音物を、またリリースできることは、信じがたい幸運です」とコメントした。アルバムにはほかに世界的なシャンソン歌手シャルル・アズナヴールの名曲「 帰り来ぬ青春 」や美輪明宏の「ヨイトマケの唄」など15曲を収録した。 また今回のアルバムでは越路さんの日生劇場リサイタル開催に尽力した音楽評論家の安倍寧さんをスーパーバイザーに迎えた。現代の日本のシャンソン界を代表する歌手の一人となったクミコに 、ぜひ 今はなき越路吹雪さんの魂を引き継がせたいと思い、橋渡しの役を快諾したという安倍さんは「 今の時代、岩谷時子さんの詩で『愛の讃歌』を歌い継げるのはクミコしかいない」とコメント 。安倍さんの助言を受けながらレコーディングを終えたクミコは「 生前 の越路さんのスタッフもされ、戦後日本のシャンソン状況にも詳しい、まさに生き字引きでもある安倍先生により、今の時代にシャンソンを歌うことの意義が示されると思います 」と語った。 【クミコのコメント】 今回。再びシャンソン、そしてシャンソン的な歌をリリースすることになりました。シャンソンにもフランスにも、特別な憧れがあったわけでもない私が、今なお歌っているのは不思議な巡り合わせのようで感慨深いものがあります。初めてシャンソンを知ったのが越路吹雪さん。チケットの取れないリサイタルには、幸運なことに二回行きました。宝塚のスターだった越路さんの舞台は、どこまでも計算されたショーのようで、その歌は劇的でした。オートクチュールのドレスも、絨毯敷きの劇場も、すべてが華やかで非日常。まだまだ貧しい日本にあって、遠いフランス、パリは何だかわからんけど素敵なのだとインプットされたのです。 「銀巴里」に入ったのは、巡り合わせです。そこでしか、いい年をした女が歌えそうな場所がなかったからです。シャンソンといえば、越路さんの「サントワマミー」しか歌えない私が、幸運に導かれ、今となっては伝説の小さなシャンソン喫茶で歌い始めました。そこで越路さんのシャンソンを歌う人は一人もいませんでした。聞いたこともない難しい歌や粋な歌など、それぞれが大切に抱く歌が「銀巴里」のシャンソンでした。(ここで越路吹雪を歌う新人が入った、と陰で噂されていたことは後日知りました) 今の時代、絶滅危惧種と言ってもいいようなシャンソンの録音物を、またリリースできることは、信じがたい幸運です。 今年は越路吹雪さん生誕100 年、そして代表曲「愛の讃歌」のレコード盤録音から 70 年。はたまたパリオリンピックの年。ナニカシラ背中を押されるような気持ちで、新録音も含め、アルバムの形で発表することになりました。 今の時代に生きるシャンソンを、お聴きいただければ幸いです。
報知新聞社