【玄米、もち麦、雑穀米】特徴・栄養価の違いは?管理栄養士が教える使い分けガイド
玄米、もち麦、雑穀米と最近は白米以外の主食の選択肢が増えています。 なんとなく健康的なイメージのあるこれらの食材ですが、それぞれの違いはご存じでしょうか? それぞれの特徴や栄養価の違いを把握すると、自分の健康状況や食生活により合った選択をすることができるようになります。 ◎回答を写真で見る|【玄米、もち麦、雑穀米】特徴・栄養価の違いは? ■白米、玄米、もち麦、雑穀米 三大栄養素の違い まずは白米、玄米、もち麦、雑穀米の1食当たり(150g)三大栄養素を比較してみましょう。 白米(炊飯150g当たり): エネルギー 234kcal たんぱく質 3.8g 脂質 0.5g 炭水化物 55.7g 糖質 57.2g 食物繊維 2.3g 玄米(炊飯150g当たり): エネルギー 228kcal たんぱく質 4.2g 脂質 1.5g 炭水化物 54.8g 糖質 52.7g 食物繊維 2.1g もち麦※1(炊飯150g当たり): エネルギー195kcal たんぱく質 4.2g 脂質 0.75g 炭水化物 44.1g 糖質 41.4g 食物繊維 2.7g 雑穀米※2(炊飯150g当たり) : エネルギー245kcal たんぱく質 4.9g 脂質 1.2g 炭水化物 54.0g 糖質 53.2g 食物繊維 0.8g カロリーで見るともち麦が最も低く、雑穀米が一番高いという結果になりました。 雑穀米は含まれる雑穀の種類によって栄養価が変わるので一概には言えませんが、豆類を含むものもあるのでたんぱく質を多めに含む傾向にあります。 糖質はもち麦が最も低くなっていますが食物繊維は最も豊富に含んでいることがわかります。 ※1 はくばくもち麦ごはん無菌パック ※2 はくばくおいしさ味わう十六穀ごはん無菌パック ■玄米の栄養は? 玄米とは糠と胚芽を取り除く前の状態の米のことを言います。 ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富ですが、特に特徴的な栄養素はビタミンB1です。 ビタミンB1の主な働きは疲労回復と糖質の代謝。 和食はヘルシーなイメージがありますが、砂糖と醤油を使った甘塩っぱい味付けのものが多く、糖質が高めの傾向にあります。 ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働きがあるので、甘い味付けのおかずやカレーやシチューなど小麦粉を使った料理を一緒に食べる時に組み合わせて食べるのがおすすめです。 ■■こんな人におすすめ! ・糖質の多いおかずをよく食べる人 ・疲れやすさが気になる人 ■もち麦の栄養は? もち麦とは大麦という麦の一種で、粘りの少ない「うるち性」と粘りの強い「もち性」に分けられます。 もち麦は「もち性」の大麦のことを指します。 もち麦の特徴的な栄養素は豊富な食物繊維。 白米やその他の穀物も食物繊維は含まれますが、もち麦は不溶性と水溶性の食物繊維をバランス良く含みます。 また他の穀物と比較すると圧倒的にカロリーが低い点もメリットです。 もち麦だけで炊飯することも可能ですが、大麦特有の味や匂いがあるため白米に1.5割ほど混ぜて炊くと食べやすくなります。 もち麦は茹でて食べることも可能なので主食として利用する他、スープやサラダの具として利用するのもおすすめです。 ■■こんな人におすすめ! ・食物繊維を補いたい人 ・主食のカロリーを抑えたい人 ・スープやサラダなどの料理にも使いたい人 ■雑穀米の栄養は? 雑穀米とは白米にヒエ、キビ、アワ、もち麦など様々な雑穀を混ぜたものを言います。 雑穀の種類の数によって五穀米、十六穀米といった名称に変わります。 雑穀米は加える雑穀の種類によって様々な栄養素を取り入れることができますが、主な栄養素はビタミン、ミネラル、食物繊維です。 一般的に白米に混ぜて炊飯するので、白米にこれらの栄養素をプラスしたい時に使用するのがおすすめです。 様々な種類の雑穀が入ることによってもちもち、ぷちぷちとした食感が楽しめることも特徴です。 食感が加わることで咀嚼回数が増えるので満腹中枢を刺激し、満腹感を得やすくなります。 白米に混ぜて炊くだけなので調理が手軽な点もポイントです。 ■■こんな人におすすめ! ・白米の栄養価をアップさせたい人 ・手軽に栄養を取り入れたい人 ■まとめ 玄米、もち麦、雑穀米なんとなく似ている食べ物ですが、それぞれに違った特徴があることがわかりましたね。 栄養、味、手軽さから自分の体調やライフスタイルに合わせて合わせて使い分けができるとより健康的な食生活づくりをサポートしてくれます。 〈参考資料〉 おいしい大麦研究所 食品成分データベース ライター/田中ひろか(管理栄養士)
田中ひろか