石破茂首相「職責果たす」と続投を明言、政権維持へ野党との部分連合模索
石破茂首相(自民党総裁)は28日、衆院選の結果を受け、党本部で記者会見した。公明党と合わせた与党で過半数を割り込み、自ら設定した勝敗ラインに届かなかったが、「国民の批判に適切に応えながら、現下の厳しい課題に取り組み、国民生活と日本を守ることで職責を果たしたい」と続投を明言した。政権維持に向け、国民民主党や日本維新の会との連立は否定しつつ、経済対策などの政策連携を通じ、協力を得たい考えを示した。 ■他党連携に向け協議深化 首相は国民民主など他党との連携に関し、「今、連立を想定しているわけではない。それぞれの政策を謙虚に取り入れていくことを、よく協議することから始めていく」と語った。政策や法案ごとに連携する「部分連合」が念頭にあるとみられる。 また、物価高対応の経済対策と補正予算案の策定を急ぐ方針を表明。時期や内容について「各党がいろんな提案をし、国民の支持を得た。党派を超えて優れた政策を取り入れていく中で検討していきたい」と説明した。 国民民主の玉木雄一郎代表はBS番組で、自民との連携に関する協議について「幹事長レベルで一定の接触をしているとの報告を受けている」と明かした。 一方、首相は会見で、衆院選の敗因は「政治とカネについて国民の疑念、不信、怒りが払拭されていないことが最大のものだった」として、政治改革を進める考えを強調。政策活動費の廃止や調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開などを速やかに実現する方針を示した。 ■追加公認は国民理解次第 自民が衆院選で非公認とし、当選した議員の追加公認については「選挙区のみならず、広く国民の理解を得られるかを基準に判断したい」と述べた。落選した牧原秀樹法相、小里泰弘農林水産相らは特別国会が召集されるまで続投させるとみられる。特別国会は11月11日に召集する方向だ。当初は7日召集案もあったが、衆院選の結果を踏まえて後ろ倒しする。 首相は会見に先立ち、公明の石井啓一代表と国会内で会談し、連立の政策合意を交わした。
一方、自民の小泉進次郎選対委員長は28日、衆院選敗北の責任を取るとして首相に辞表を提出し、受理された。