バングラデシュ前首相らが7672億円横領か、ロシア融資の原発建設巡り…暫定政権が調査開始
【ニューデリー=浅野友美】バングラデシュ暫定政権の汚職防止委員会は23日、ロシアの支援で建設中の国内初の原発について、事業を主導してきたシェイク・ハシナ前首相らが5900億タカ(7672億円)を横領した疑いがあるとして調査を始めた。
原発は西部ルプールに建設中で、来年の稼働開始を見込んでいる。総事業費126・5億ドル(1兆9843億円)の9割がロシアの融資で賄われている。
AFP通信によると、マレーシアの銀行の非居住者向け口座を使った横領の疑いをバングラデシュの政治家が申し立てていた。委員会は、巨額事業における資材などの調達慣行を調査していくという。
抗議デモで今年8月に辞任に追い込まれたハシナ氏は、脱出先のインドに滞在している。暫定政権は23日にハシナ氏の身柄引き渡しを求める書簡を印政府に送付した。バングラデシュの裁判所が10月に「人道に対する罪」の容疑でハシナ氏に逮捕状を出しており、公判出席を求めるためだという。