楠木ともりが憧れの舞台・日比谷公園大音楽堂に立つ!「みんなが私のことを輝かせてくれる」とファンへの想いも露わに
シンガーソングライターとしても活躍中の声優・楠木ともり。自身初となる野外ライブ「TOMORI KUSUNOKI SUMMER LIVE 2024 -ツキノミチカケ-」の東京公演が、2024年7月15日、日比谷公園大音楽堂にて開催された。 【写真を見る】憧れのステージ・日比谷公園大音楽堂に立つ楠木ともり 前日までの空模様に加え、雨女を自称する楠木の野外ライブとあって、雨天が予想されていたこの日。しかし、連日の猛暑からは打って変わって涼やかな風が吹く薄曇りとなり、天気に恵まれる中で、ライブはスタート。白いレースのセットアップにポニーテールの、シンプルかつクールなスタイルで登場した楠木は、バンドメンバーの生演奏と共にエモーショナルなナンバー「眺めの空」で披露し、パワフルで真っ直ぐな歌声を響かせた。 「みんな盛り上がって!」と叫んでからの「僕の見る世界、君の見る世界」では、ライブグッズのマフラータオルを振り回しながら元気いっぱいにパフォーマンス。間奏部分で超満員の客席からコーラスが沸くと、楠木は満面の笑顔を浮かべ、「ここにいるみんなで最高の夏にしましょう!」と呼び掛けた。続いて、「野音、盛り上がっていけるか!」と煽ってからの「青天の霹靂」では、トリッキーなメロディと歌詞に合わせてさまざまに表情を変える歌声で、アーティスト・楠木ともりの多才ぶりを見せつけた。 ウィスパーボイスが溶けていく「MAYBLUES」は、蝉時雨が響く黄昏時の空の中、生バンドアレンジで新たな魅力を放った。観客の温かいハンドクラップと共に始まったスタイリッシュかつポップな楽曲「もうひとくち」では、グルーヴィーなファルセットを聴かせた楠木。ドラマチックなミドルナンバー「タルヒ」でも、聴く者を包み込むような歌声を響かせた。 MCでは、「私、雨女だからさ。もう途中まで雨か曇りかってなっていて、どうしようって思っていたんですけど、マネージャーさんが晴れ女なんですよ。マネージャーさんが勝ってくれました!」と笑顔を浮かべると、大きな拍手と歓声が客席から沸き上がった。そして、チケットがライブ前日にソールドアウトしたことも報告し、「夢の舞台でソールドアウトって、もう鳥肌立っちゃって...」と感動を口にした。 そして、「ここから盛り上がっていけますか!」と宣言してからの「Forced Shutdown」は、幻想的なコーラスを盛り込んだスペシャルなイントロを披露し、客席からは驚きと喜びの声が上がる。 エモーショナルなミドルナンバー「BONE ASH」、雨音のSEから始まるスペシャルイントロで盛り上がった「遣らずの雨」、切ない歌声が胸に迫る「absence」、疾走感と儚さが同居するロックサウンド「シンゲツ」をノンストップで届けた楠木は、最後のMCで、夢の野音でライブを開催するにあたっての思いを告白。最新シングルの「シンゲツ」に合わせ、"ライブでも月の移り変わりを表現したい"というコンセプトのもと、自分を見つめ直すようなセットリストを作成したという楠木。「月って満月とか半月とか三日月とか、いろんな形があるけど、月自体はまったく変わってないじゃない。見えないところはボコボコで傷だらけで、でもそれを見せないように輝いていて。しかも、自分の力では光ることができなくて、周りに支えられて綺麗なところだけ見せている。強がっている私だったり、みんなだったりに繋がるところがあるのかなと思って」と語った。 続けて、「デビュー当時から言ってるんだけど、自分のことが本当に好きじゃなかった。けれど、みんなの前でこうやって野音(ライブ)をやっちゃう自分は大好きなの。本当に大好きなの。ありがとうね、みんなのおかげ」と声を震わせる楠木。「こうやって、みんなが私のことを輝かせてくれるのと一緒で、みんなも、どこかで自分が『これが最高の自分だな』と思える場所があるはずだから、ひとりでどうにかしようって思わなくてもいいのかなと思うし。私は月の模様も好きだから、傷だらけでもいいんじゃないかな?そんな風に、みんなが自分の心を満たせるライブになってたらいいなって思いながら、今日ここに立っています。今日は目いっぱい楽しんで、それぞれの『こういう自分、好きだったな』っていう自分を見つけて帰ってください。今日は本当に輝かせてくれてありがとうね」と観客に感謝を伝えると、大きな拍手が会場を包み込んだ。 そして「みんなのことを私は照らすから、あなたは私を照らしていただける?」と笑顔を浮かべ、パワフルなロックチューン「back to back」を客席からの熱い「大丈夫」コールとこぶしに後押しされるように歌い上げ、ステージを後にした。 その後、熱烈なアンコールに応え、ライブTシャツに着替えて再びステージに登場した楠木。万感の想いを込めた歌が聴く者の心を揺さぶる「バニラ」に始まり、「alive」「熾火」とドラマチックなナンバーで、初の野外ライブを大成功のうちに締めくくった。 撮影=Kosuke Ito 取材・文=中村実香 <セットリスト> M1. 眺めの空 M2. 僕の見る世界、君の見る世界 M3. 青天の霹靂 M4. MAYBLUES M5. もうひとくち M6. タルヒ M7. Forced Shutdown M8. BONE ASH M9. 遣らずの雨 M10. absence M11. シンゲツ M12. back to back EN1. バニラ EN2. alive EN3. 熾火
HOMINIS