與真司郎さん×ヘアメイク森ユキオさんが語る「令和版メンズ美容」の大切にしたいポリシーとは|STORY
運動やインナーケアでまずは健康を保つ自然な美容法を実践したい by與 真司郎 それぞれの美しさが必ずある。同じ美しさを目指さず、年を重ねることを受け入れて by森 ユキオ
――まだまだ偏見のある男性の美容。お二人は、どうお考えですか? 森さん 僕は美容歴38年。デヴィッド・ボウイとかに憧れて、小学生6年生の時にヘア・メイクアップアーティストになると決めた。これまでの経験の中で、男女の差や年を重ねることなどの多様性を科学的なことで整理するのはおかしいと感じているんです。美しさって色々なパターンがあり、どんな美しさでいるかは自由。それなのにある1つの指針を目指すのは健康的ではないと思うんです。だから、美容をすることに対してボーダーレスになってきた今の世の中は素晴らしいと思います。ただ、世の中に間違っていることも含めて情報が溢れすぎていて、取捨選択することの難しさもある。男性も肌を整えたり、美容もすべきだとは思いますが、正しく実践できている人がまだ少ない印象。メンズ美容の疑問をなくしていく上で、與さんのような影響力がある人のポジティブな発信は、大事だなと痛感しています。 與さん 僕の周りは、美容の意識が高い人が多いから、男が美容をすることは当たり前になっていますが「男が美容なんて…」とネガティブな気持ちを持っている人がいるのなら、「男が美容をして何が悪い?」と聞きたい。だって、美=健康だと思うから、健康を意識してケアすることは当たり前のことだと思うんです。ただ、今日対談させていただいて、自分のケアは少し過剰かも、と感じました。スキンケアもサプリメントもアレもコレも、と手を出してしまっているので…。これからの目標は美容においてシンプルにそぎ落とすこと。人生を楽しんで自分の生き様を表現できるような自然な美しさでありたいです! 森さん 過剰に色々なものを隠して成功していった50歳以上の例なんてないと思うんです。影あってこその光。年を重ねると肌だけでなく体がすべて老化してくるので、運動、睡眠、食事、バランスよくケアしないと本来の自分をなくし、人工的になってしまう。きれいに年を重ねることを受け入れた人がいちばんきれいだと思います。僕自身、ある程度は努力して健康的な美しさは保ちたいとは思っていますが、美容ばかりでは人生が健康的ではない。正しい知識をもち最良のシンプルなケアをし、大切な時間を友達に会うとか、趣味をするとか、自分磨きに使い、総合的に魅力的な人間でいられたらと考えています。 撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア・メイク/佐藤真希 スタイリスト/SUGI(FINEST) 取材/味澤彩子