阪神のドラフト戦略が独特すぎる ブランド志向より独立リーグの逸材は「吉か凶か」
終わってみれば、独自色の色濃いドラフトになりました。 今季のセ・リーグで2位に好成績を残し、岡田彰布監督から藤川球児監督へとバトンタッチした阪神です。 【動画】これぞ「絵になる4番」 大山悠輔の満月バックの確信弾をチェック 10月24日のドラフト会議で指名した支配下5人、育成4人の合計9人のうち、実に独立リーグの選手は過半数の5人。1位指名した関西大・金丸夢斗は4球団競合の末、外れてしまったため、極めて異例ともいえる「大学生0人」のドラフトとなったのです。 スポーツ紙のアマチュア野球担当記者が言います。 「阪神といえば古くは岡田彰布、平田勝男、今岡誠、桧山進次郎、鳥谷敬など、最近でも大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太など大卒選手がチームの根幹を作ってきました。むしろ東京六大学、東都大学といった名門リーグで揉まれた選手を好む『ブランド志向』があったんです。今回はその真逆を行く『叩き上げ指名』ですから驚きました」 なぜ、このような指名になったのでしょうか。前述の記者は監督交代の影響がゼロではないと言います。 「藤川監督は現役時代、四国IL高知でプレーしたこともあり、彼らのハングリー精神を肌感覚で知っている。自身の意向は全く関係ないとドラフト後にコメントしていましたが、編成サイドは監督の『好み』も考慮して、使いやすい選手を揃えるものです。成功へ並々ならぬ強い意志を持ったトップ級の独立リーガーをチームに入れることで、強い集団にしたいという思いがうかがえる指名だったと言えるでしょう」 もう一つは、前年のドラ1の「反省」もあったのではと、前述の記者は続けるのです。 「2023年のドラフト1位は12人中、東都大学野球リーグの投手が7人を占める事態となり『さすがは名門の戦国東都だ』と話題になりました。しかし、ふたを開けてみればその内3人がトミー・ジョン手術を受けることになり、現場のコーチ陣からはスカウトの調査不足を指摘する声も上がったと聞きます。となると、大切なのは『名よりも実』。彼ら独立リーガーの下克上に期待したいところです」 ドラフトの正解が分かるのは、早くて5年後と言われています。若虎の近未来がどうなっているのか、とても楽しみです。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]