市川團十郎「臆することなくちゃんと進められるような自分であることを誓った舞台になった」襲名披露興行の大千穐楽を報告
歌舞伎俳優の市川團十郎(46)が10日、東京都内の霊園の代々の市川團十郎家が眠る墓前で10月26日に大阪松竹座で大千穐楽を迎えた「市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」公演の完走を長女の市川ぼたん(13)、長男の市川新之助(11)と共に報告した。 2022年10月31日の歌舞伎座寄せ手打式で市川海老蔵が十三代目市川團十郎白猿を襲名し、2年間にわたり全国を回った同公演。計281回の上演に團十郎は「本当に大変でしたよ。皆さんのお力添えのおかげで千穐楽に迎えられた」と感謝を語り、「もちろん私自身も舞台に向き合って一生懸命日々を精進し、発展するように頑張りましたが、もうお客さまと関係者の方々のおかげでその日を迎えられた」と充実感を口にした。 この日も3人でお墓の掃除をしたという團十郎は「今までにない時間のかかった襲名披露興行を無事に終わらせていただけたことをまず感謝を伝えました」と話し、「教育として父もお墓参りを重要視していまして、多い時、夏休みとかは毎日のように父と母と妹との4人で来ていた」と当時を回顧。 長女のぼたんは公演期間について「なかなか同じ場所に行けなかったことが多かったので寂しい気持ちもあって、襲名って大変なんだなと実感しました」と素直な気持ちを口にするも「大千穐楽には感動しました」とにっこり。 八代目としての初舞台公演を終えた新之助は「学校とかでは勸玄くんと呼ばれているので、新之助になったという実感はないんです」と話すも、「襲名は終わったんですけれども、まだ気が抜けないなっていう状況」と頼もしさを見せ、そんな息子の言葉に團十郎も「新之助はこれからだね、團十郎もこれからだし、ぼたんもこれから」とほほ笑んだ。 新橋演舞場の2025年1月公演では「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」の上演を控え、團十郎は初役となる大星由良之助をはじめ、4役を早替りでつとめる。そんなこれからに團十郎は「古典を守ること、改革すること。改革するとともに批判をお受けすることしっかりと受け止められる体制でいきたい」と語り「臆することなく、ちゃんと進められるような自分であることを誓った千穐楽になったかな」と力強く意気込んだ。
中日スポーツ