核廃絶「大きな運動に」 被団協・田中代表委員ら意気込み ノーベル平和賞授賞式控え
ノーベル平和賞の授賞式を10日に控えた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は2日、東京都内で記者会見した。授賞式で講演する田中熙巳代表委員は、核兵器廃絶に向け「ヨーロッパにも大きな運動が起きるきっかけになればと期待している」と意気込みを語った。 田中氏は講演内容について「原爆が人間にどんな被害を与えるか世界に訴えたい」と強調。「被団協の活動の歴史を第1番にした。自分の体験は量的には4分の1くらいかもしれない」と説明。自ら原案を作成したが、プレッシャーで原稿の完成が「夢の中にも出てきた」という。事務局役員や代表委員らが原案に目を通し、内容を固めた。 授賞式では田中氏と共に長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長ら代表委員2人も登壇。田中会長はメダルを受け取るという。他の被爆者も核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)など平和活動家との交流や現地での証言活動などに取り組む。被団協の和田征子事務局次長は「できるだけたくさんの方々と話し『核の傘』が機能していないこと、核兵器が使われたらどうなるかという実相を心から訴えたい」と語った。 授賞式はノルウェーの首都オスロで開かれ、代表団30人が出席。付き添いの被爆2世6人も同行する。8日に日本を出発し、13日に帰国予定。旅費を募るクラウドファンディングは2日までに目標額1千万円を大きく超え、3600万円余りとなった。