「大好きなラーメンとお酒」やめられないナゼ、絵本作家が糖尿病と診断されるまで暴飲暴食
仕事の忙しさにかまけて暴飲暴食を繰り返していた絵本作家の塚本やすしさん。倒れて救急車で運ばれたことがあるのにもかかわらず、大好きなラーメンとお酒はやめられず、次第に体は悲鳴を上げていきます。塚本さんの著書『イラスト日記 ゆるして! 糖尿病』から一部を抜粋、再編集し、当時の食生活を振り返るとともに、同書監修の白澤卓二医師からの見解やアドバイスをご紹介します。 【イラスト】浅草の「神谷バー」はミックスサンド、チョコレートパフェが食べられるのだがアルコールも有名だ。大ジョッキのビールと名物であるデンキブランを5杯飲んで倒れた 【前記事】暴飲暴食続けた彼が40代で直面した「散々な」現実
■「3食ラーメンでもOK」 子どもの頃からラーメンが好きだ。正直、3食ラーメンでもまったく問題ない。むしろ幸せだ。 暴飲暴食している時期は、1日に2回ラーメン屋に行くこともあった。連続してラーメン屋をハシゴすることもあったくらいだ。 ダイエットをしていて、太ったりやせたりしていた頃も、ダイエット中も頭の中は大好きなラーメンのことばかりである。奥さんのことを考える時間より、ラーメンのことを考えている時間のほうが断然、多い。
結果、体重はどんどん増えていき、ブクブクと太る。自分がぶざまな体形になっているのは知っていたが、鏡やショーウインドウに映る自分の姿は見ないようにしていた。 【画像】ラーメンとお酒がやめられなかった様子をイラストで(5枚) 見るときはおなかを引っ込めたり、ほほをすぼめたり、眉間にしわをよせて歌舞伎役者のような顔をしてごまかしたりしていた。 外出先でトイレに行くと、鏡が目に入るのだが、自分の姿を見たくなくて薄目になって手を洗っていた。
■白澤卓二医師からのアドバイス(1) ラーメンの小麦には依存性がある 塚本さんのラーメンに関するイラスト日記を読んで、最初に感じたのが「典型的な小麦中毒だな」ということです。驚かれるかもしれませんが、近年の小麦は麻薬と同じような中毒をもたらすことが、最近になって明らかになったのです。 中毒をもたらすのは小麦に含まれている「グルテン」というタンパク質です。 グルテンは胃で小麦ポリペプチドという物質(エクソルフィンとも呼ばれる)に分解されるのですが、この物質は血液脳関門(脳に有害な物質が入らないよう、脳と脳以外を流れる血液を隔てるフィルターのようなもの)を突破し、脳のモルヒネ受容体(アヘンやモルヒネ、ヘロインなどを摂取したときに快感を感じるセンサー)と結びつき、快感を感じさせるのです。