ジョージ・クルーニーがバイデン大統領に出馬を考え直すように求める ライバルのトランプ大統領がクルーニーを批判
この秋に大統領選が行われるアメリカ。民主党からは現職のジョー・バイデン大統領が、共和党からはドナルド・トランプ元大統領が出馬することがほぼ決定、先月は両者による討論会が行われた。最初の討論会として大注目を集めたがバイデン大統領のパフォーマンスはいまひとつ。数字を言い間違ったり、言葉に詰まったりする場面がちらほらあった。以前から81歳という大統領の年齢が懸念されていたが、それがますます高まる結果となっている。
そんな中、民主党支持者で資金集めのパーティーを度々開いてきたジョージ・クルーニーがバイデン大統領に出馬を考え直すように求めるオプエドを新聞「ニューヨークタイムズ」に発表した。「私はジョー・バイデンが大好きだ。上院議員として、副大統領として、大統領として。私は彼を友人だと思っているし、彼を信じている。彼の人格やモラルを信じる。彼はこの4年間多くの戦いに勝利してきた」と最初に丁寧にフォローした後、「しかし時間との戦いには勝てない。誰も勝てない。こう言っては身も蓋もないが、私が3週間前に資金集めのパーティーで一緒になったジョー・バイデンは2010年の彼ではなかった。2020年の彼でもなかった。私たちが討論会で目撃したのと同じだった」。バイデン大統領の陣営は討論会で不調だった理由を「時差ボケのせいだ」と説明しているが、討論会の日だけ不調だったわけではないというのがクルーニーの意見。「この大統領では11月に勝つことはできない。これは私だけの意見ではなく、プライベートで話をした上院議員、下院議員、知事全員の意見だ。公の場所での発言がどうあっても関係なく、ひとり残らずそう思っていた」。厳しい言葉でバイデン大統領に出馬を再考するように求めた。
このダメ出しに反応したのがバイデン大統領ではなく、大統領のライバルであるトランプ元大統領。自分が立ち上げたSNS「Truth」にクルーニーの記事についてコメントした。元大統領は「素晴らしい映画を作れた試しのない、インチキ俳優のジョージ・クルーニーが口を挟んできた。彼はクルックド・ジョー(不正なジョー)にまるでネズミのように敵意を剥き出しにしている。クルーニーに何がわかるっていうんだ?」と彼を攻撃。「クルーニーはアメリカ史上最悪の大統領であるバイデンが、我々の民主主義を救ったという民主党の論点を利用している」「ペテン師ジョー・バイデンは民主主義を救ったのではなく民主主義を屈服させたんだ。クルーニーは政界から引退して、テレビの世界に戻るべきだ。映画なんて彼のためにならない」。
どうやらトランプ元大統領はバイデン大統領にだったら勝てると思っているもよう。クルーニーのアドバイスでバイデン大統領が出馬を取りやめ、他の候補者が出てきたらピンチになると考えていると見られている。トランプ元大統領からあまりにも低い評価を下されていることが、改めて明らかになったバイデン大統領。ちなみにロブ・ライナー監督や作家のスティーブン・キング、Netflixの共同創設者兼執行会長のリード・ヘイスティングスらもバイデン大統領の出馬に反対している。彼らの声が大統領に届くのか、それとも周りの声を押し切ってこのまま出馬するのか注目が集まっている。