【オーストラリア】日立エナジー、送電連系線向け変換所を受注
日立エナジーはこのほど、オーストラリア本土とタスマニア(TAS)州を結ぶ高圧直流送電(HVDC)連系線「マリナス・リンク」向けの変換所2基を受注したと発表した。運用容量は750メガワットで、日立エナジーは連邦政府とビクトリア(VIC)州政府、TAS州政府が共同出資した送電公社と契約を結んだ。変換所は、オーストラリア本土とTAS州の間での再生可能エネルギー発電所の電力の融通を可能にする。 マリナス・リンクは長さ345キロメートルで、2030年末までの運用開始を目指している。同連系線は、2段階に分けて整備される予定で、最終的に容量は1,500メガワットになる。日立エナジーは、連系線と同名の送電公社から第1段階の変換所を受注した。 送電公社は、日立エナジーとの契約によりオーストラリアで初めて、複数のセルを接続したモジュールで構成された変換装置「モジュラー・マルチレベル・コンバーター」技術を用いるHVDC変換所を使用する。 マリナス・リンクは、VIC州の再エネ発電の余剰電力をTAS州に送電するもの。日立エナジーによれば、TAS州では揚水発電所が運用されていることから、余剰電力の蓄電が可能だという。これにより、VIC州で電力が不足した際、逆にTAS州から蓄電した電力を送電することができる。