元レッドブルF1ドライバーのドーンボス、ペレスの早期更迭を提案「角田裕毅にチャンスを与えるのも悪くない」
2006年にレッドブルF1のドライバーを務めたロバート・ドーンボスは、不振が続くセルジオ・ペレスについて、今すぐ別のドライバーに変えるべきだと考えている。そして「私なら今すぐに行動を起こす」と断言した。 【動画】20年でF1マシンはどれだけ変わった? レッドブル、2005年RB1と2024年RB20を雨のシルバーストンで走行比較 ペレスは今季序盤こそチームメイトのマックス・フェルスタッペンに次ぐポジションを確保するレースも多かったが、次第に苦戦するようになり、中国GPを最後に表彰台からも遠ざかっている。 その結果、ドライバーズランキングでは6番手まで後退。レッドブルはペレスとの契約を2年間延長したが、その契約が解除されることになるのではないかと噂されている。 なぜレッドブルはペレスを今も使い続けるのか? そう語るのはかつてレッドブルのF1ドライバーを務めたドーンボスだ。ドーンボスは2005年にミナルディからF1デビュー。その翌年にはレッドブルのテストドライバーを務め、終盤3戦では同チームのマシンを駆り参戦した経験を持っている。 「世界中が、なぜ彼と新たな契約を結んだのか、そしてなぜ彼を交代させないのか、疑問に思っている」 ドーンボスはmotorsport.comに対してそう語った。 「ペレスが今見せているパフォーマンスは、レッドブルに相応しくない。これまで、彼ほど多くの時間を与えられたドライバーはいなかった」 ドーンボスはさらに次のように続ける。 「レッドブルは、彼をどう扱うかで非常に苦労している」 「Aチームに昇格したジュニアドライバーが、シーズン半ばで他のドライバーにチャンスを与えるために、降格させられたこともある。しかし、ペレスの状況は明らかに少し違う」 ドーンボスは、ペレスがチームに持ち込む多額のスポンサー料が重要だと指摘した。 「レッドブルは過去数年、他のチームに対して大きなアドバンテージがあった。ペレスがマックスより0.3秒遅くても問題なかった。でも、今では他のチームにも競争力がある。そのため、0.3秒遅いと、1位か6位かという違いになってしまう可能性がある」 「彼は6~7レース前から大きく後れを取っている。特に予選では、ポイント獲得のチャンスを減らしてしまい、接近戦となっている今では、ポイントを全く獲れないということを意味することもある」 motorsport.comの取材によれば、夏休みを迎えた時にペレスがフェルスタッペンから100ポイント以上離れていた場合には、契約を解除できるという条項が契約には含まれているという。 またペレスは、フェルスタッペンより”5位以上遅れてはならない”という条項もあるようだが、これがランキングについてなのか、あるいは3戦連続でフェルスタッペンよりも5つ以上後ろの順位なのか、そのどちらなのかは定かではない。 なおここ3戦のうち、フェルスタッペンから5ポジション以下の遅れでフィニッシュできたのは、オーストリアのみ。しかもこのオーストリアは、フェルスタッペンがマクラーレンのランド・ノリスとレース終盤に接触し、ポジションを大きく落としたレースである。 ドーンボスは、自分がチームの首脳のひとりだったら、すぐに契約を解除するだろうと語った。 「チームのマネジメントとしては、今こそこう言うべきだ。彼の契約に盛り込んである条項を発動するとね。そうでなければ、なぜそんな条項を盛り込んだんだろうね。そこには理由があるはずだ」 「現在我々が目にしている状況は、非常に悪い。もちろん、ペレスにとっては残念なことだ。しかし最高レベルのスポーツであるF1は非常に過酷である。F1には、20しかシートがない。食うか食われるかだ。レッドブルは彼に十分な時間を与えたわけだから、今こそ行動を起こすべきだろう。レッドブルにとって、コンストラクターズタイトルを勝ち取るのは、非常に重要だからね」