日本にも義務教育を受けられなかった人たちがいる 全国初の私立夜間中学校が沖縄に開校「珊瑚舎スコーレ」
■日本にも義務教育を受けられなかった人がいる 様々な事情で義務教育を受けられなかった人たちに、学びの場を提供してきた、沖縄の「珊瑚舎スコーレ夜間中学」。今月、全国初となる私立の夜間中学校として新たなスタートを切りました。 【写真を見る】日本にも義務教育を受けられなかった人たちがいる 全国初の私立夜間中学校が沖縄に開校「珊瑚舎スコーレ」 珊瑚舎スコーレ東表中学校・星野人史校長 「20数年やってきましたが、今年初めて正式な卒業証書を出せる夜間中学校になりました」 沖縄戦や、戦後の貧困などによって義務教育を受けられなかった人たちの受け皿となってきた珊瑚舎スコーレ。今月、全国初となる私立の夜間中学「珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中学校」として開校しました。 城間清廣さん 「仕事でタクシー運転手の父親の手伝いで、眠くて学校行ってない」 珊瑚舎スコーレに3年間通い、今月あらためて東表中学校に入学した城間清廣さん(68)。父親が出稼ぎのため渡ったブラジルで生まれた城間さんは、幼いころから働きづめで、学校で学ぶことがほとんどできませんでした。10代後半で沖縄に移ったあとも学びの機会はなく、仕事をするうえでも苦労が絶えませんでした。 南城市シルバー人材センター・屋我和枝理事長 「大変でした。入ってきたときには、まず申込み書が書けず、代理で書いてあげたりとか。そういうところからのスタートだったんです」 仕事を終えた城間さん。事務所に戻り、1日の業務内容を記録します。 城間清廣さん 「漢字が難しい、漢字が。難しい、漢字書くの。どうやって書くの、分からんよ。縦書いて・・・難しい、どんなやって書くか分からん」 仕事を終えると、すぐに夜間中学へ向かいます。 ■働き、学ぶ喜び 「もっと勉強したい」 城間さん 「漢字書くのは難しい。ひらがなは少し覚えてきた。先生も「うまくなってきてるよ」と言ってくれる。(ページを)めくったら楽しいよ」 珊瑚舎スコーレ夜間中学では、貧しさで学校へ行けなかった人が再び経済的な理由で学びを諦めることがないよう、授業料は無料です。公立の夜間中学校がない沖縄で、寄付やボランティア講師の協力によって、「自主夜間中学」として20年にわたって学びの場を提供してきました。 珊瑚舎スコーレは2022年、正式な中学卒業資格が認められる私立の夜間中学として認可するよう県に申請しましたが、県は当初、運動場などの面積が設置基準を満たしていない、として認可しませんでした。